プロローグ
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男口調で喋ったりしたら、確実に母に変な目で見られるだろう。ここは女の子をしているのが懸命なのだ。
幸いなことに俺は今の女の子の自分の記憶もある。母の前での振る舞い方に関しては問題ない。
だが逆に、女の子にとっては普通でも、男の、しかも大学生の人格を持った俺にとっては超恥ずかしい記憶もしっかりと残っているのだ。思い出すだけでも顔が熱くなる。
そういえば、男子に対して恋心を抱くことは一回もなかった。そもそも恋愛事はあまり興味がなかったからな。……まあ今となっちゃ、そんなアッーーな展開は絶対にごめんだが。
「……あら?美姫、どうしたの?顔が赤いわよ?」
いつの間にか部屋へ入ってきていた母が、俺に怪訝そうな顔を向けた。
「……何でもない」
「そう?それならいいんだけど……。それより、ドーナツ買ってきたの!一緒に食べましょう!」
「ホント?ありがとう!」
母が手に持っていた箱を近くの机に置いた。そういえばこのお母さん、すごい別嬪さんだなぁ。今まで身内だから気にしたことなかったけど。
???????はぁ……。これからやって行けるかなぁ……。
俺、「黒崎美雪」は、母に満面の笑顔を向けながらも、心の中でそう呟いた。
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