第四十五話 異変
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ットを自らの足に放つ。
出力は最低だが、足のアーマーが熱でひしゃげた。
即座に足の痛覚をシャットアウトすると滑り込むように突撃を回避した。
イエティンガー「大したものだ…」
ルナ「見くびんのも、大概にしやがれ…」
痛みに表情を歪めながら、イエティンガーを睨む。
イエティンガー「何故そこまで戦う。本来ならば同胞である我々が?」
平和主義である彼は、出来ることなら余計な犠牲を生みたくはなかった。
自分が倒すべき敵は、蒼の英雄と紅の破壊神と朱の舞姫である。
ルナ「……確かに俺も、無用な戦いは避けたいさ。でもさ、俺にも俺なりにちっぽけだけど信念がある。少なくても、逃げることは絶対にしない」
きっぱりと言い切る。
敵や死に対する恐怖など微塵もなかった。
紺色の狙撃手と世界で謳われた戦士の姿に彼は悟る。
イエティンガー「ならば、次の一撃で決着をつけるとしよう」
雪が舞い上がる。
その凄まじさは、敵の居場所を分からなくする。
地上ですらの感知も不可能となった。
加えてルナは片足の機動力を失っており、片足のみで逃げることは出来ない。
イエティンガーの一撃をまともに喰らい、命を果たす以外に術はない。
ルナ「…………」
彼女は目を閉じた。
覚悟を決めたような横顔。
死への恐怖も、負けることへの悔しさも存在しない。
とても静かな表情。
千切れるような冷気の中で、彼女の表情は、芸術的にさえ思えた。
祈りを捧げるように俯く。
イエティンガーは雪の中ゆえ、彼女が見える訳ではないが、優れた戦士の五感が、彼女の発する空気を感じた。
歴戦の戦士でさえもああも潔くは出来ないと、イエティンガーは密かに感服する。
イエティンガー「今、楽にしてやろう…」
氷龍昇を繰り出す瞬間、ルナが瞳を開いた。
火花が散り、ルナの身体が宙を舞った。
金属同士がぶつかり合う音も聞こえた。
氷龍昇をまともに喰らったのだ。
イエティンガーは手応えを感じた。踊るように宙に浮くルナを見て、彼女が死んだと思った。
散り際の桜に似ていると称賛した。
しかし彼女は生きていた。
受ける直前で片足の加速装置を回すことで後退し、ダメージを僅かながら軽くした。
ルナ「トランスオン!!サンダーダンサー!!」
ドクラーゲンに変身すると、電撃をイエティンガーに向けて放つ。
迸るエネルギーがイエティンガーに直撃した。
イエティンガー「馬鹿な…!!あの攻撃で生きているなど…!!」
驚愕、後に攻撃に転じようとするが、氷を電撃が溶かし、水へと変える。
イエティンガー「か、身体が…」
水は電気を通す。
つまり感電してしまう。
低温下での運用を前提にして造られた新世代型レプリロイドである彼は、
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