第2部 風のアルビオン
第5章 出港までの休日
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に曲げて言った。
「大丈夫だよ。きっとうまくいく。なにせ、僕がついているんだから」
「そうね。あなたがいれば、きっと大丈夫よね。あなたは昔から、とても頼もしかったもの。で、大事な話って?」
ワルドは遠くを見る目になって言った。
「覚えているかい?あの日の約束……、ほら、君のお屋敷の中庭で……」
「あの、池に浮かんだ小舟?」
ワルドは頷いた。
「君は、いつもご両親に怒られた後、あそこでいじけていたな。まるで、捨てられた子猫みたいに、うずくまって……」
「ほんとに、もう、変な事ばっかり覚えているのね」
「そりゃ覚えているさ」
ワルドは楽しそうに言った。
「君はいっつもお姉さんと魔法の才能を比べられて、デキが悪いなんて言われていた」
ルイズは恥ずかしそうに俯いた。
「でも、僕はそれはずっと間違いだと思ってた。確かに、君は不器用で失敗ばかりしていたけど……」
「意地悪ね」
ルイズは頬を膨らませた。
「違うんだルイズ。君は失敗ばかりしていたけれど、誰にもないオーラを放っていた。魅力とも言っていい。それは、君が他人にはない特別な力を持っているからさ。僕だって並みのメイジじゃない。だからそれがわかる」
「まさか」
「まさかじゃない。例えば、そう、君の使い魔……」
ルイズの?が赤く染まった。
「ウルキオラのこと?」
「そうだ。彼の左手に浮かび上がったルーン……。あれは、ただのルーンじゃない。伝説の使い魔の印さ」
「伝説の使い魔の印?」
「そうさ。あれは『イーヴァルディー』の印だ。始祖ブリミルが用いたという。伝説の使い魔さ」
ワルドの目が光った。
「イーヴァルディー?」
ルイズは怪訝そうに尋ねた。
「誰もが持てる使い魔じゃない。君はそれだけの力を持ったメイジなんだよ」
「信じられないわ」
ルイズは首を振った。ワルドは冗談を言っているのだと思った。
確かにウルキオラはやたらすばしっこく、馬鹿みたいに強いけど、伝説の使い魔だなんて信じられない。もし、そうなのだとしても、何かの間違いだろうと思った。
自分はゼロのルイズだ。
落ちこぼれ。
どう考えたって、ワルドが言うような力が自分にあるなんて思えない。
「君は偉大なメイジになるだろう。そう、始祖ブリミルのように、歴史に名を残すような、素晴らしいメイジになるに違いない。僕はそう予感している」
ワルドは熱っぽい口調で、ルイズを見つめた。
「この任務が終わったら、僕と結婚しよう。ルイズ」
「え……」
いきなりのプロポーズに、ルイズははっとした顔になった。
「僕は魔法衛士隊の隊長で終わるつもりはない。いずれは、
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