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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
44.始まりの真実
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握られている物体。銀を主の色とした日本刀を模した近未来系のフォルムの武器。
ここまでくると彩斗はもう驚きすらなかった。
差し伸べてきた手を掴んで彩斗は立ち上がった。
あの、と質問をしようとしたときに少女はその手を掴んだまま走り出した。
「色々と聞きたいことはあると思うけどここは危険だから逃げるよ!」
彼女に手を引っ張られるまま彩斗はその場を後にした。
黒髪の少女に手を引かれて連れてこられたのは、道路のすぐ横に立っていたなんらかの店の屋上だった。通常屋上という所は鍵がかかっており一般人は入れないものだ。そもそも店へと入らずに屋上へと向かうことは不可能だが、運がいいことにその店は横に非常階段で屋上まで繋がっていた。しかしながら不法侵入を防ぐためにそこに行くためにも鍵がついているもの。
ならばどうやって入ったのか?
答えは彼女が握っている刀にある。
……もうお分かりだろ。
彼女はなんの躊躇もなくその扉を刀で叩き切ったのだ。同様に屋上の扉も切り裂いて不法侵入を果たした。
よほど切れ味がいいのか豆腐でも切るようにスパッと綺麗に斬れてなんとも気分がよかった。
屋上から先ほどまで彩斗たちがいたところを見下ろして嫌な汗を背中にかいた。少女がここは危険だ、と言った意味をようやく理解した。
津波の恐いところは押しだす力より引きずりこむ力だという。先ほど二人がいた道路は先ほどよりも強い激流に包み込まれていた。
「それであんたは何者なんだ?」
闇夜の中を二体の化け物がぶつかり合う光景を見ていた少女へと問いかける。
少女がゆっくりと振り向いた。
「ボクは獅子王機関の剣帝。獅子王機関三聖の命で、“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の戦いの監視に来ました」
また訳のわからない単語が増えた。
シシオウキカン? ケンテイ? オリスブラッド?
どれもこれも聞いたことが全くないものばかりだ。どうやら危険なことではなくかなりの面倒ごとに首を突っ込んだのだとようやく理解する彩斗だった。
「それでそのシシオウキカンさんはあの化け物について何を知ってんだ?」
整理が追いつかない頭を押さえながら彩斗は訊く。
少女は少し考え込むような素振りをしたのちに口を開く。
「あれは眷獣だよ」
「……ケンジュウ?」
先ほど誰かが教えてくれた言葉と同じことを言う。
「うん。吸血鬼が従えてる意思を持った強力な魔力の塊」
そこまで来て彩斗がかろうじて知っている言葉が登場した。
吸血鬼───不老不死の肉体を持つ種族。日差しに弱く、人間の血を吸うことができる人の形をした化け物。
「ってことは、あそこで化け物を操ってるつうのが吸血鬼ってわけか」
「
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