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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
44.始まりの真実
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よッ!」
自分でも訳のわからない気持ちに焼けくそになったその時だった。
今までにない衝撃波が大気を震わせ、彩斗の身体を吹き飛ばした。突然のことに為す術もなく彩斗の身体は宙を舞い地面へと叩きつけられる。
激痛が走った。右腕の骨が折れたのではないかと思うほどだ。
「い……てっ……」
あまりの痛みに情けないことに目からは涙が溢れる。右腕を押さえながら必死で痛みに堪えて立ち上がる。
右腕の痛みのせいであろうか呼吸が荒くなり、鼓動も通常の何倍も早く動いているようだった。必死で呼吸を整えようとするが身体は全くとしていうことを聞こうとしない。
そんな中で彩斗の視界は再び、ありえない光景を映し出した。
わずか数メートル先で先ほどの
一角獣
(
ユニコーン
)
へと突進するもう一体の化け物。暗闇を照らすほどに神々しい黄金の翼を持つ巨大な梟だ。
「あれもケンジュウってわけか……」
痛む右腕を押さえながらも二体の化け物がぶつかり合う方へと向かい駆けだした。
あんな化け物同士がこれ以上ぶつかりあったらこの街は確実に崩壊し、怪我人が何人出るかもわからない。
「あれ……?」
彩斗は足を止めた。
なにかがおかしい。彩斗は往来の真ん中に立ち止まり辺りを見渡す。
……やはりおかしい。
軽々と人が吹き飛ばされるほどの強烈な衝撃波と爆音が何度も大気を震わせているのにそれを見に来ようとする野次馬が一人としていない。さらに辺りの建物は倒壊していてもおかしくないはずだ。なのに彩斗の目に映る全ての建物はなにもなかったかのように無傷だった。
まるで今この場で起きている出来事の全てが彩斗の夢なのではないかと疑いたくなってくる。
夢だったら良かったと思っている。だが、右腕の痛みはいまだにしっかりと彩斗の痛覚を刺激し続ける。これほどの痛みがあって実は夢でしたなんてそんなことあるわけもない。
「……ったく。マジでなんなんだよ」
彩斗は再び、地面を強く踏み込んで駆け出した。
なぜここまでしてあの場所に向かおうとしているかは、多分当の本人である彩斗もわかってはいない。それでも行かなければいけない気がする。
またしても自分ではない誰かの声が聞こえてくる。
『ここで行かなければおまえは、一生後悔することになるぞ』
その言葉を完全に信じることはできなかった。だが、後悔という言葉にどうしても動かずにはいられない。
どうしてもそこまで後悔という言葉に反応しているのかは彩斗自身でもわからない。
だったら確かめるしかない。
彩斗があの場所へと向かおうとする理由を。誰かが一生後悔すると言ってくる理由を。
その答えはすぐ目の前にある。
しかし、この世界というのはとてつもなく理不尽なものだった。必
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