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藤村士郎が征く
第17話 以下略 後編 戦場を蹂躙せし若き軍神、駆けつけるはオルレアン解放の英雄 ジャンヌVS雫
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ャンヌの嬢ちゃんがあそこまでの実力者だったなんて初めて知ったぜ」

 と口にし乍ら、「お前ら、知ってたんじゃないか?」と言う風な目線を、老従者3人に向ける。

 「いえ、我らもジャンヌ・オーリックの実力については、噂程度でしか知りませんでした」
 「何しろ、ジャンヌ様ご自身が士郎様と同じく、無為な戦闘を好まない性格ですから。詳しい情報もほとんど入ってくる事が無かったのですよ」
 「しかも、あの二人とも。工場地帯という事もあって、周りに被害が及ばないようにあれでも、手加減しているように思えます。まったく、あの若さで大したものですよ」
 (それに比べて、他の若者ときたら嘆かわしいったらないよ全く・・。士郎及びジャンヌ、雫(あの子ら)の爪を煎じて飲ませたいくらいだね)

 そんな他人事のように観戦をしている九鬼の重鎮たちをよそに二人の戦いは、より苛烈さを極めていく。


 −Interlude−


 川神学園サイドの本陣では、ジャンヌ・オーリックと黒騎士による激戦が今も直、英雄たちの前で繰り広げられていた。

 ジャンヌは黒騎士によるランスの高速突きに対して、時には殴り返すように撃ち合い、時には捌き、躱す。

 「ふっ!くっ!つっ!はっ!!」
 『―――――――――――――――――』

 一方、黒騎士()はランスによる目にもとまらぬ高速突きをしつつ、気を練りながら収束させていく。
 雫のこの高速突きは、相手の攻撃を迎撃するためのモノでは無い。ましてや、ジャンヌを突き貫くものでも無い。単なる足止め・・・時間稼ぎでしかないのだ。

 自分とジャンヌの力量は、現時点では雫からしても、まだまだ格上だった事は予測できていた。
 で、あるならば、この一進一退の攻防を終わらせるためにも、溜めに溜めた主砲でこの戦いを終わらせるのが賢明だ。事実、周りは気づいていない様だが、徐々に雫が後退を余儀なくされていた。
 これではいずれ、押し込まれるのが落ちだろう。故に、尚更早めに決着をつけまいと、この策のために不本意ながら“若”の友人で大将でもある、九鬼英雄に狙いを定めた。

 そして――――。

 『――――ふん!!』
 「っ!?」

 今までしていた高速突きの最後に、押し込むように力強く突くことにより、ジャンヌを少しだけ突き飛ばす。

 『これで終幕としよう。大将殿!』
 「ぬぅ!?」

 英雄のほぼ眼前にまで一瞬で迫り、気絶させるために槍を振りかぶる。
 しかし――――。

 ――――ギィン!!

 ジャンヌが阻止するために、二人の間に割り込みをかけて、これを弾く。
 だがこれこそが雫の狙い。

 弾かれるのも計算通りで、瞬時に着き貫く体制に入り、ここで溜めに溜めた気を開放させ、技を
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