第十二話【はじまりのところ】
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あはははは。幸谷君可愛い! 反応が初心すぎるよ。あははは、犯すわけがないのにね。あなたには可愛い凜ちゃんがいるものね」
目を開けると先輩がブラウスを着なおしている。からかわれた……。この人苦手だ。これが藤原先輩に思った初めの印象だった。まあ、後々変わるのだが
「って言うか!? なんで先輩は俺のこともそうですけど、凜のことも知っているんですか?」
「それはこの僕が説明しよう! 先ず君は、今のゲームのメインプレイヤーなのさ!」
ここぞとばかりに阿呆の先輩が意味深い眼鏡をくいっと中指で立てて、会話に入る。この先輩、さっきからわかっていて無視していたのか……。嫌な人これがこの黒米先輩に思った印象だ。これは今後でも良くも悪くも変わらなかった印象だった。
「ゲーム? プレイヤー? 本当に現実と非現実の区別がつかないんですか?」
「そう、あいつらは本当に現実との区別がついていない。それは僕よりも遥かにだ。命の重みを知ろうともしないし……。えっ?」
そのあと、黒米先輩の、僕は違うぞ! みたいな哀れな弁解を無視した後。しっかりとした説明を受けた。ゲームのこと。プレイヤーのこと。この学校のこと。にわかに信じがたいことを聞かされたので、藤原先輩を見ると無言で頷いていたので動揺が隠せなかった。
背景説明や自己紹介が終わり、今日は解散となった。その際に連絡先を交換したので今度の金曜日の会議の場所は追々連絡が来るらしい。解散直後から一人ずつ準備室を出て帰った。
帰り道の足取りは重かった。俺の高校生活波乱万丈編が幕を切ったように思えた。途中気分が悪すぎて吐くかとさえ思った。暗い雰囲気を纏いながら玄関の扉を開ける。中に入ると台所から今日の夕飯の良い香りがする。そんなどうでもいい香りをお構いなしに自室に籠る。
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