第十二話【はじまりのところ】
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ドアガラスの淵には埃がある。如何にも使われていないように思わせる。しかし、取っ手の部分だけは埃が他に比べたらない。それに微かに扉の向こうにから人の気配が一人……。いや、二人かな? それぐらいする。それに向こうもこちらのことに感づいているみたいだ。
躊躇したが取っ手に手を掛ける。取り敢えず押してみる。ガチャと鈍い音がして扉が開く。そして、目の前に映った光景は!
「やあ、君が幸谷大地君かな。お待ちしていましたよ、今度のゲームプレイヤー様」
目の前には長机が並んでいる。周りには丸椅子がいくつかある。その中心的な位置に座っている眼鏡の胡散臭い人がいる。
目の前にいる先輩らしき奴から窺えることはこいつ……。快と同じ穴の狢か!
「あははは、先輩もう幸谷君に警戒されていますよ。そんな中学二年生がかかる病気のようなことを言うからですよ。あはは」
露骨に怪訝な表情をしたためと近くにいる女性の先輩に笑われる、阿呆な先輩。女性の先輩は背を向けているためこちらからは顔が見えない。でも、聞き覚えのある声な気がする。
「取り敢えず、帰っていいですか? 僕、このような厨二的な集団に興味なんてないんで」
「まあまあ、そんなこと言わないでよ、あはは。くすくす、幸谷君とはなにかの縁があるともって誘ったのにな」
女性の先輩は、先輩を笑いながらこちらに向く。その瞬間目を見開く。
「なんで先輩が!? えっ、もしかしてこれを渡したのも先輩ですか? てか、なんですか? この秘密結社ごっこみたいな部活は! パンフレットにも載っていませんでしたし、非公式すぎますよ!」
そこに立っていたのは、ついさっき俺に演劇部を案内してくれた人だった。
「一言で言うと……。ボランティア活動を目的としているわ。この阿呆で厨二な先輩的に言うと。無償の人助け、遊戯への干渉と言えば、幸谷君は喜んでくれるかな?」
さり気なく罵倒されている先輩が少し涙目になっているのは、無視して。なんで、俺を阿呆な先輩と同じ扱いなのかが不満だ。
「全然、納得できないです。……特に俺も厨二病患者みたいに扱われていることです」
「ごめん、幸谷君はもうそう言うお年頃じゃなくて大人に背伸びしたいのかな? なら」
先輩は胸元のボタンを一つずつ、見られているかを確認しながら外す。谷間が????。慌てて阿呆な先輩の方に助けを求める。が、さっき涙目を無視した成果、イヤホンに小説と完全に自分の世界に入っている。あれきっとラノベだ。
なんてしているうちに女性の先輩はブラウスのボタンをすべて外し、上を脱ぎブラだけになる。目線を逸らしてはまた、無意識のうちに目線がその大きな胸に引き込まれそうになる。そんな人の葛藤をお構いなしに先輩が近づく。恐怖か、恥じらいか、それ以外の感情かわからないが目をつぶってしまう。
「……ぷっ。
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