第十二話【はじまりのところ】
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る大きな机。その上には劇で使うであろう台本と衣装デザインの書かれているイラスト本が置いてある。他にも建築で使用してそうな長い定規などがある。入って左側には黒板があり、そこには、ようこそと書かれている。右側には衣装の入っていそうな箱が積み重ねてあり、天井近くまで積み重ねてある。
『どう? いろいろ見慣れないものがあるでしょ』
心を見透かされたのか、それとも顔に出ていたのか。どちらかわからないが先輩は顔を見ながら満足そうに言う。またも頷く。
『じゃあ、部室を案内するわね。先ず、これは私たちが獲得した全国での優秀賞! っていったものの一番じゃないんだけどね』
などと、部室を案内されて最後に隣の空き教室で演技の練習風景を見学させられた。
『どうだった? 少しは興味を持ってくれたかな? ここの人ほとんどが高校から始めた人ばかりだから気負いなんてしなくていいんだよ』
正直言って興味さえはあったものの実際自分がするといったら答えはNOだよな。それに全国クラスなら練習時間も相当だろうし、バイトを疎かにする可能性もあるしな……。でも、ここまで丁寧に案内にしてもらったのに断るのも……。どうすればいいんだろうな。
『うーん……。案内しておいて言うのもダメかもだけど。君はやめた方がいいかもしれないね』
さっきからずっと笑っていた先輩が真剣な表情で考える。そして周りの人目を気に掛ける。
『ここだけの話しさ。ここの部長がさ、中学から狙っていた娘がいてアタックしたらしくて、振られたらしいの』
耳元でこっそりと言う。えっ。と聞き返そうとすると先輩は後ろから来た、また別の人を見つけると勧誘を始めた。そんな先輩を見ながら本日二回目のため息を吐く。するとそれを横目で見ていた先輩が軽くウィンクをする。それを見てその場を後にする。
それから文化部を回ることを止め、運動部をある程度回った後。お手洗いで手を洗おうとしたときにもらったチラシが2枚あったことに気が付いた。枚数を間違えて渡したなと思ったが違った。もらったチラシには、演劇部用とまた違う部活のチラシだった。
「あれ? こんな部活、パンフレットに載っていたかな?」
確認のために生徒会からの部活紹介パンフレットを見る。一ページずつ丁寧に確認するが同じものはなかった。不思議になり、もう一度チラシを確認してみる。毎週金曜日に会議をするだけ! 時間がない人におすすめ。と書いてある。一応、今日も部活見学をしているらしい。気になり、チラシに掛かれている教室に向かう。
「ここだ! チラシの書いてある教室と教室番号は……。オッケー、当てる」
にしても、不思議なところだ。3階の奥の方にある理科室の隣で今は物品倉庫として扱われているみたいだ。大きさは縦長6畳ほどに見える。ドアは教室のような引き戸とは違い、折れ戸だ。
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