そこで俺と彼女は出会う
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つも孤独な哀れ奴だ」
やっぱり目を見ただけでわかるのね……
「人との付き合い方を学べば少しはまともになると思う。彼をここにおいてやってくれ、そして腐った目と根性の更生が私の依頼だ」
糸井先生が早乙女に向きなおって言うと、早乙女はめんどくさそうに口を開いた
「それなら、先生がご自分で指導なさった方が早いのでは?」
いや、それはやめてください
「私だってできるならそうしたいところだが、この頃はそういうのにうるさくてな。手を出そうにも出せないんだ」
……まるで俺への暴力は正当と言っているような
「お断りします。この男の下品で低俗な視線は身の危険を感じます」
早乙女は別に乱れてもいない襟元を掻き合わせ2歩、3歩後ずさる
「安心したまえ。根性と目が腐っているだけあって彼のリスクリターンの計算力は大したものだ、決して刑事罰に問われることはしない。彼の小悪党ぶりは信用してくれ」
「何一つ褒められてないんですが……違うでしょう?、ちゃんとした判断ができると言ってほしいんですが」
「小悪党……。なるほど……」
「勝手に納得してるし……」
糸井先生の説得が効いたのか、はたまた俺の小悪党ぶりが信用されたのか早乙女は結論をだす
「まぁ、先生の依頼ですし無下にもできません。……承りました」
早乙女が本っ当に嫌そうに言うと糸井先生は嬉しそうにほほ笑む
「そうか。なら後のことは頼む」
それだけ言うと糸井先生は部屋から出て行ってしまう
早乙女はそのまま本を読み始めてしまう
ぽつんと取り残される俺
普通の男子だったら美少女と部屋で二人っきりでドキドキしてラブコメ的な展開に期待するのだろうが俺はその手には乗らないぞ
訓練されたボッチにそんな攻撃は効かん!
2度とあんな思いをしないように俺は今まで努力をしてきたのだ
ラブコメ展開に巻き込まれないためには嫌われてしまうのが一番早い
自らのプライドを守るためには好感度など必要ないのだっ!
「そんなとこに突っ立ってないでどこか座ったら?目障りだわ」
「え、あ、はい。すみません」
急に話しかけんなよ、びっくりして謝っちゃったじゃねぇか
それになんですかその汚物を見るような目は、その勝ち誇ったような目は
なんか傷つくんですけど……
それはともかく俺は後ろに積んであった椅子を一つ取り出し早乙女とは長机一つ挟んだところに座った
はぁ、とため息を吐く
どうしたものかと早乙女を見る
こんな風におとなしく本を読んでいればそれなりに可愛く見える
俺はこの美少女と何をしろというのだ
「何か?」
俺が見すぎていたせいもあってか早乙女は不機嫌そうにこちらに
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