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刻命館VS帝國華撃団 帝都妖異譚
第二部
第二章
悪夢
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全く避けることが出来なかった、幸いにもまくらが顔面に覆いかぶさっている所に花瓶が飛んできたので花瓶はまくらがクッションとなり、床に落ちても割れないほどだったが、これが逆であったら只では済まなかったろう。そして最後にイヤホンの差し込み部分が運悪くさくらの右目に入ってしまう「痛っ!!」右目を抑えうつむくさくらに対し、容赦なく紅蘭は吐き捨てる、「なあ、さくらはん、さくらはんの子供はどうなったん?」意外な発言にさくらは驚く、「え、どういうこと?」「子供や子供、あのマリアとのガキや、さくらはんもマリアにやられたんやろ、子供はどうなったん?」左目の視力だけでも異常な目つきとわかる紅蘭をさくらは見上げる、ようやくさくらは自分の甘さに気づいた、マリアに犯されたのは同じでも、紅蘭は異形を出産し、自分は破邪の力の緊急回避により妊娠していない、それに気付いた紅蘭がどうなるか、考えもしなかったのだ「こ、子供って、その・・・」「やっぱそうやな、さくらはんは最弱のウチと(ちご)うて、破邪の力持っとるもんな、マリアに犯されてから、館の外であれだけウチらと駄弁っててもお腹が膨らむどころか館に又突っ込む余裕あったもんな、ウチがマリアに犯されてそんなに経たんとお腹で子供が動き始めたのが判ったのに、さくらはんはそんなんやから、やっぱ子供産まずに済んだんやな」
「なあ、さくらはん、マリアが言うとったで、ウチのは緩いんやと、当然や、馬賊にさんざんマワされとるもんな、まあマリアも昔紐育でやりまくっとったからどの口が言うとるねん思うけどな」
最初さくらは「マワされる」という言葉の意味を知らなかったが前後の言葉でだいたい想像がついた。
ブチまけたいことをブチまけて若干落ち着きを取り戻した紅蘭は言った。
「あの後あやめはんに助けられたのは感謝しとる、あやめはんが殺女になってもうた時は皆落ち込んだもんやで、あのマリアですらな、でもな、、、」紅蘭もさくらへの八つ当たりについては少し反省したのか間を置く。
実は初期の帝国華撃団花組6名は2種類に大別される、「なるべくしてなった」のがさくらとすみれの2名、もう一方はあやめによる「一本釣り」組でマリア・紅蘭・アイリス・カンナの4名なのである。この4名は特にあやめが殺女になったことは衝撃であったのである。
「ウチだけはほんの少しやけど(ちご)うた、、、大連で馬賊に襲われたウチの緊急入院先はな、神戸だったんや」
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