第四章
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第四章
「このデートでプールに行こうって」
「そうだったんですか」
「そうよ。それじゃあ中にね」
雄大は言われている間ずっと美奈の水着姿について考えていた。その抜群のスタイルがどんなものか見たくて仕方がなかった。一体どんな水着を着るのかも関心があった。しかしだ。
自分のことも考えてだ。戸惑ってしまった。
「けれど」
「けれど?」
「俺水着持ってませんけれど」
こう言うのだった。
「それで泳ぐのは」
「中で買えるわよ」
ところが美奈がこう言ってきた。
「そこでね。安いし」
「安いんですか」
「そうよ、安く買えるから」
にこりと笑って雄大に話す。すると彼も負けてしまった。
そしてだ。ついつい頷いてしまった。それからだった。
プールの中に入って水着を買った。そのうえで着替えてプールサイドに出る。緑の床に水色の底のプールよりもだ。やはり美奈だった。
しかし今彼女の姿は見えない。何処かと探すとだった。
「お待たせ」
また声がかかってきた。あの声がだ。
そちらに振り向くとだ。美奈がいた。その姿は。
「えっ・・・・・・」
「また驚いたの?」
「何ていうか」
勿論彼女は水着だ。その水着は競泳水着だった。黒と青の配色もいい。だがその水着は彼女のスタイルをこれまでになくはっきりと浮き立たせていた。
それを見てだ。呆然となっていたのである。
「あの、競泳水着って」
「似合うかしら」
「何て言えばいいんでしょうか」
これが彼の言葉だ。
「その、それは」
「目のやり場に困る?」
美奈はくすりと笑って雄大に問うた。
「若しかして」
「言ったら何ですけれど」
「やっぱりね。それじゃあね」
「それじゃあ?」
「泳ぎましょう」
スタイルのことを置いての言葉だった。
「これからね」
「わかりました、それじゃあ」
「二人でね」
また美奈にリードされて準備体操の後でプールの中に入る。そのうえで泳ぎはじめた。一時間半程泳いでそのうえでプールから出た。
プールから出るとだ。また彼女が言ってきた。
「次はね」
「次は?」
「お腹空いたわよね」
今度言ってきたのはこのことだった。
「そうよね」
「ええ、まあ」
「それじゃあね。次はね」
「次はですか」
「食べに行きましょう」
こう言ってきたのだ。
「ちょっと。遅くなったけれど」
「あっ、そうですね」
気付けばだ。もう二時だ。昼食の時間は過ぎていた。
「それじゃあ何処に入りますか?」
「いい場所知ってるわ」
美奈はくすりと笑ってこんなことを言ってきた。
「いい場所ね」
「いい場所ですか」
「そこに来ない?」
雄大の顔を見て問う。
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