第198話 紺色の妖精と紫の妖精
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―クロッカスの街 北側―
昼間は大勢の人達の歓喜に満ちた歓声と、街の至る所に咲き誇っていた色とりどりのクロッカスの花々が大魔闘演舞を華やかにしていた―――――が、今となってはどうだ。月明かりが妖しく照らす夜のクロッカスの街は、瓦礫の山化としていた。
この街には今、突如どこからともなく姿を現した10頭の悪魔達が、街の至る所で大暴れをし、街を無残な姿へと変えていく。建物が崩壊する度に砂煙が立ち込め、視界を妨げる。
夜のクロッカスの街に響くのは、建物が無残に崩れ行く音と、
悪魔3「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
悪魔の咆哮だけだ。
リオ「アイスメイク、白竜ッ!!」
シェ「天神の・・・北風ッ!!」
蛇姫の鱗の魔道士、リオンが薄緑色をした氷の竜を造形し、シェリアが黒い風を纏った両腕を大きく振るい、悪魔の背中に向かって同時に攻撃を放った。
サク「爆炎の御魂よ、敵を焼き尽くせ・・・!」
それに続いて『御魂の桜扇』を開いた幸福の花の魔道士、サクラが、『御魂の桜扇』を扇いで繰り出した紅蓮の炎を悪魔の背中に向かって放った。
カイ「水竜の・・・荒波ッ!!」
それに続いて両腕に青く透き通る水を纏った月の涙の魔道士、カイが、両腕を薙ぎ払うように交差させながら大きく広げ、陸に荒波を起こし悪魔を呑み込む。
ノバ「や・・やったか・・・?」
イエ「あんだけ攻撃をまともに食らえば、さすがの悪魔でも・・・!」
ここまでの段階で、まだ一切何も活躍していない四つ首の猟犬の魔道士、ノバーリとイエーガが砂煙の中を目を凝らして見つめながら呟く。
砂煙は徐々に晴れていき、完全に晴れた時には無傷の悪魔が大きく開けた口に魔力を溜めていた。
ノバ&イエ「全然効いてねェ!」
リオ「そんな事を言ってる場合かっ!攻撃してくるぞっ!」
リオンが言うが早いか、悪魔は口に溜めていた赤黒い魔力を放った。赤黒い魔力は、赤黒い一直線の閃光となってリオン達に襲い掛かってくる。間一髪のところで、リオン、シェリア、サクラ、カイ、ノバーリ、イエーガは左右に散らばってそれを回避した。悪魔の口から放たれた赤黒い閃光は、石造りの建物を7〜8軒ほど貫いた。
サク「たったの一撃で・・・何て威力!?」
サクラは崩れ落ちる建物を目にやりながら驚嘆の声を上げた。
リオン達が驚いている間にも、悪魔は再び口に魔力を溜め始めた。
シェ「また来るよぉ!」
シェリアが叫んだのと同時に、悪魔は赤黒い魔力を放った。しかもさっきよりも速い!
ノバ「かわし切れねェ!」
イエ「うわぁああっ!
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ