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大和撫子七変化
第二章
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第二章

「まああの体操服姿でもな」
「凄い威力だよな」
「全く」
「それだけじゃないしな」
 ここで雄大が言った。
「制服姿とかも。凄いしな」
「やれやれ、何でもいいのかよ」
「のろけてろ、もうな」
 周りはそんな彼に呆れる。そうしてだ。
 この日の放課後彼は学校の校門のところで待ち合わせをした。やがてそこにだ。美奈が優しい笑顔でやって来たのである。
 青いスカートに白いブラウス、ブレザーはスカートと同じ青だ。ネクタイは緑である。学者のそれとベレーを合わせたような帽子はこの学校の女子の制服の一つだ。短いスカートからやはりあの脚が見えている。
 その姿で来てだ。雄大に言うのだった。
「待ったかしら」
「いえ」
「待ってないのね」
「はい、今来たばかりです」
 こう美奈に話す。目が少しだけ脚と制服の上からもわかる見事なウエストと胸にいく。男としてそれはどうしても避けられなかった。
「ですから」
「そうだったらいいけれど」
「本当にそうですから」
 こう少し強引に言うのだった。
「気にしないで下さい」
「そうなのね」
「はい。それで先輩」
「何?」
「これから図書館ですか?」
 赤くなった顔で美奈に問うた。
「また。勉強で」
「そのつもりだけれど」
「受験大変なんですね」
「大学はもう受かってるわよ」
「あっ、そうでしたね」
 雄大も言われてこのことに気付いた。
「八条大学でしたよね」
「そうよ、そこよ」
「推薦で入ったんですよね」
「八条大学には入りたかったしね」
 吊り目だがそれでもだ。その笑みは優しく包容力のあるものである。年下の彼氏に対して向けるのに相応しい笑みであった。
「家からも通えるし」
「そうですね。この学校と近いですしね」
「だから。よかったわ」
 通学の弁も考えていいというのだった。
「本当にね」
「俺も八条大学受けますから」
 ここで雄大はまた話した。
「絶対に」
「雄大君もなのね」
「はい、そうします」
 雄大は明るい、やや力んだ言葉で応えた。
「本当に」
「それじゃあ待ってるから」
「待ってくれるんですね」
「ええ、待ってるから。けれど」
「けれど?」
「離れないからね」
 こう雄大に告げる。
「一緒にね。いましょう」
「はい、一緒に」
「それでだけれど」
 また話してだった。美奈はここでこんなことも言った。
「ねえ」
「はい?」
「今度の日曜だけれど。時間あるかしら」
「はい、あります」
 日曜は暇だった。彼は部活はしていない。アルバイトをしている。カラオケ屋の下のゲームセンターでだ。店員をしているのである。
「それじゃあ」
「じゃあその日デートしましょう」
「デートですか」
「そう、デートね」
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