第百七十七話
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第百七十七話 作り終えて
亜美はアルテミスとセレニティの言葉も受けてまずは明るい曲の作詞作曲に専念することにした、そしてそのことをだ。
クラウンのリーダーである梨花に話した、その話を聞いてだった。
梨花は真面目な顔でだ、こう亜美に答えた。
「いいんじゃないかしら」
「梨花ちゃんはそう思うんやな」
「ええ、確かに亜美ちゃん暗い感じの曲とか静かな感じの曲苦手みたいだから」
「そっちは後にしてか」
「今のところはね」
「明るい曲やな」
「それか賑やかな曲ね」
こうした曲を、というのだ。
「そっちを中心にしていってね」
「それがええか、やっぱり」
「そう思うわ、私も」
梨花にしてもというのだ。
「亜美ちゃんのタイプを考えたら」
「そやねんな」
「亜美ちゃんって陽の気が強いのね」
「錬金術やけどな、得意なのは」
「錬金術は暗いの?」
「暗い部屋でお薬とか作るやん」
錬金術は、というのだ。
「そやからな」
「錬金術師は暗いの」
「そういう感じするやろ」
「そうかしら」
「うちはそう思うで」
亜美自身はというのだ。
「そやからな」
「亜美ちゃんは錬金術師だけれど」
「明るいねん、これが」
「というか錬金術師って暗いの?」
「そういうイメージあらへん?」
「別に」
梨花は首を傾げさせて亜美に答えた。
「そんなイメージないけれど」
「そうなん」
「うん、けれどそう言われるとね」
梨花も次第にこう思ってきたのだ、錬金術を得意とする亜美に言われて。
「そうかもね」
「まあ明るい錬金術師でもええやろ」
「別にいいんじゃないの?」
これが梨花の返答だった。
「それでも」
「明るくてもええか」
「誰も困らないでしょ」
錬金術師が明るくともだ。
「それならいいじゃない」
「ほな作る曲もな」
「暫く明るいのメインなのね」
「それでいくわ」
とりあえず亜美の作る曲は明るいままであった、暗い曲は暫く作詞も作曲もしないことにしたのだった。
第百七十七話 完
2014・10・17
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