第十八話 ~彼女の選択 U ~
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も、私も千早さん本人から聞くまでそんなに細かいことだとは思わなかった。
けれども、戦果は一気に派手になる。
彼女の手にもつその銃がうなりをあげるとき、敵の召喚獣に向かって何十個もの銃弾が飛び出してゆくのだから。
それらの飛翔体群をしゃがみ込むことで何とか一発目を交わすAクラス代表たち。
そして続けざまに狙い撃ち打ちされたのを飛び上がって交わす。
その時、男子生徒の高らかな宣言が教室中に響く。
「妃宮さん、貰うよ!」
スポットライトを当てられて以来、ほとんどの観客たちの目線を釘付けにしていた彼女の陰に隠れるようにして機会を待ち受けていた吉井が、召喚獣を無理に急激に飛び上がらせたせいでバランスが崩れているところを強襲する。
少しだけ予想外、というか斜め上を突かれてしまった。
「い……いつからいたんだ!!」
「大丈夫よ、どうせ吉井の攻撃力なんて無いに等しいんだから!!」
大声を上げることで、恐怖に打ち勝とうとでもしているのだろうか。
「僕の点数は、その身で味わってから思い知るんだ!」
彼の木刀で勢いよく地面に叩きつけられる二匹の召喚獣、そして地面に落ちた瞬間に追い打ちを掛けるかの如く三射目を打ち込む千早さん。
『世界史 Aクラス 時任 正浩&花岡 麗 41点 68点』
『世界史 Fクラス 妃宮千早&吉井明久 298点 201点』
「「「な…吉井が200点台だって!!!」」」
ようやく表示された、心の本命の吉井の点数にAクラスが絶叫する。
「はあぁあぁ!!」
雄叫びを上げながら、吉井は時任に迫る。
「くっそ、このままやられてたまるか!」
木刀を長刀で受け止め、そのまま力を受け流そうと力を緩めたようだが、肝心の吉井は後ろに引いており、そのまま突きを彼に決める。
そして
『世界史 Aクラス 時任 正浩 DEAD』
召喚獣は消え、戦死判定がでてしまった。
残るは花岡さんと戦っている千早さんなんだけれども…
クリティカルヒットを受けてしまったらしく、銃が手元から無くなっていた。
武器を持っているけれども残りの持ち点がほとんどない花岡さん。
対して特殊攻撃を用いるために点数が削れただけなのに、手元に装備が無くて徒手空拳で挑みかかっている千早さん。
ある意味一進一退の攻防をしているように、見えるだけの気もしないでもない。
点数の高い召喚獣が、自分よりも遙かに低い召喚獣の攻撃を受けて自分の装備品が吹き飛ばされるなんて聞いたことがない。
長刀の刃先が千早さんの少し上を通り過ぎ、その力のまま石突きを突き当てようとする花岡さん。
その後ろから飛びかかる吉井の召喚獣。
千早さんが長刀の柄をしっかりと握り、花岡さんの召喚獣が動けないでいるところに吉井渾身の一撃が炸裂して……
『世界史 Aクラス 花岡 麗 DE
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