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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第十八話 ~彼女の選択 U ~
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さん。
それでも50点という得点差があるため、姫路さんの回避のしかたも少しずつだけれども良くなってくる。
「やっぱり、経験の差かな。霧島さんのためにも骨を折ろうじゃないか、『鎌鼬』!」
腕輪の効果であろう特殊攻撃を繰り出した久保君に、観客たちが沸き上がる。
成績最優秀者の証でもある召喚獣の特殊攻撃をみる機会は殆どない。
ムッツリーニ君も使っていたようだけれども、久保君の技はそれよりも遙かにエフェクトが派手だった。
白い刀の刃先の様な固まりが無数に久保君の背に集まり、そして姫路さんを中心として輪を描きながら逃げられないように囲む。
そして、一気にそれらが中央の姫路さんに襲いかかる。

それこそAクラスの中でもTOPクラスの連中や、千早さん、姫路さんそしてさっきの試合の土屋君(ムッツリーニ)と言った、ほんの一握りしか使えない特殊攻撃は、自分の持ち点をいくらか犠牲にすることが代償として必要であるけれど、対戦相手の持ち点を確実に減らす有効な手段だ。
久保君が特殊攻撃を最初から使うというのは、最初からそれだけ不利であると判断したからに他ならないだろう。

「一平面に密集させすぎですよ、久保君!」
召喚獣は垂直に勢いよく、鎧を着ているとは思えないほどの高さまで飛び上がり、その胸あたりに当たるはずだった多くの刃を交わす。
それでも攻撃の半分は当たってしまったらしく持ち点がガクンと削られた。
『数学 Aクラス 久保利光303点  Fクラス 姫路瑞希289点』
Fクラスの観客席がどよめく。
なんと言ってもFクラスがここまで勝ち抜いてこれたのは姫路さんというエースが道を切り開いてきたのだから。
「ここで、瑞希さんも応射するかどうかが見物なのですが……」
そしてあくまで冷静に戦況を分析している彼女が、トップエースの彼女をもっとも最適な場所に布陣させるという。
彼女たち、Fクラスの最強の矛と最高の知能のおかげで彼らFクラスはこの場を作ることが出来たんだ。
期待も半端ではないと言うことかな。
「島田さんの側は目立っていませんが、押していますね。」
そう言われて同時進行で起こっている優子さんと島田さんの戦いの方に目を向ける。
確かに最初の点数こそ絶望的ではあったものの、島田さんの執念で彼女自身とあまり変わらない点数にまで削っていた。
サーベルと矛という西洋VS東洋な勝負を繰り広げている二人。
『数学 Aクラス 木下優子 309点  Fクラス 島田美波 285点』
そして頂上決戦のようを見せている姫路さんと久保君。
「はあぁあぁ!!」
気合い一閃、デスサイズを力一杯に姫路さんに振りおろす久保君。
「まだやられるわけには行きません!」
手に持っていた大剣を地面に置き、身軽になった彼女は、デスサイズの刃の先端にすこし手をぶつけなが
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