第四章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「煙草です」
「では今からですね」
「はい、煙草屋に行きます」
「そうですよね」
「それではです」
こう言ってでした、二匹は今度は煙草屋さんに向かいました。ですがバウンサーさんは一緒に来てくれているピーターさんに言うのでした。
「ピーターさんのお買いものは終わったのでは」
「はい、お酢も買いましたし」
実際にその通りだと答えるピーターさんでした。
「私の買いものはこれで終わりです」
「では買えられては」
「いえいえ、お付き合いさせてもらいます」
この辺りは友達同士だからです、ですが。
ピーターさんはここでなのでした、こうも言ったのでした。
「それに家に早く帰りますと」
「奥さんがいて」
「しかも息子に娘達がいますので」
子供達のことも言うのでした。
「ですから」
「あまり早く帰りたくないのですね」
「そうなのですよ、これが」
「お気持ちわかります」
バウンサーさんはそのピーターさんに少し苦笑いになって言葉を返しました。
「私にしましても」
「バウンサーさんもですね」
「はい、家でくつろいでいるのは実は」
「あまり出来ないですね」
「今日は運がよかったです」
煙草をぷかぷかと吹かせて、というのです。
「ただ、その運もです」
「煙草が切れるまででしたか」
「そうでした、しかも買いものに行っても」
「それでもですね」
「無駄遣いはするなと言われました」
「私もですよ、買っていいものはお塩とお酢だけで」
つまり買って来てくれる様に言われたその二つだけが買っていいものです。しかしそれ以外はというのです。
「後は駄目だと」
「同じですね、そこは」
「そうですね、買いものも自由がないですよ」
「家計は少しも無駄があってはならないと」
「女房がいつも言いますね」
「本当に」
こうしたことをお話しつつでした、煙草屋さんに行ってです。
バウンサーさんは煙草を買いました、そうして早速でした。
その場で買った煙草を少しでした、パイプの中に入れて火を点けて吸ってでした。そうしてピーターさんに言いました。
「美味いですな」
「バウンサーさんは本当に煙草がお好きですね」
「わしの数少ない楽しみです」
「そしてその楽しみも」
「はい」
それが、というのです。
「こうしてです」
「買いに行かされるのですね」
「切れたら自分で」
「何かと難しいですね」
「本当にです、どうしたものか」
「どうしたものかといいましても」
これがなのでした。
「何も出来ません」
「それが現実ですね」
「そうです」
まさにというのです。
「家は奥さんのものですから」
「だからですね」
「我々はその奥さんに言われて」
「動くだけですね」
「そうです、まあ煙草が吸
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ