第一章
[1/2]
[1]次 最後 [2]次話
バウンサーさんのお話
兎のバウンサーさんはお家の中にいて安楽椅子の上に座ってです、パイプで煙草をぷかぷかと吸ってr楽しんでいました。
ですが暫く吸っていると煙草の葉がなくなってしまいました、すぐに新しい煙草をパイプの中に入れようとしますが。
もう葉がありませんでした、それで奥さんのフロプシーさんに尋ねました。
「母さん、煙草はあるかい?」
「もうないの?」
「ないから聞いてるんだよ」
こうフロプシーさんに言うのでした。
「もうないのかい?」
「そこにないのならないわよ」
これがフロプシーさんの返事でした。
「それならね」
「そうなのか」
「そう、残念だけれどね」
「残念とかじゃなくてね」
「煙草を欲しいっていうのよね」
「そうだよ、じゃあ買って来てくれるかい?」
「駄目よ、今晩御飯作ってるのよ」
フロプシーさんは実際に台所でシチューを作っています。
「だからね」
「煙草を吸いたいのならか」
「自分で買って来てね」
こうご主人に言うのでした。
「わかったわね、お金渡すか」
「わしが自分で買いに行くのか」
「嫌なの?」
「買いものは母さんの仕事だろう?」
安楽椅子に腰掛けてお顔を台所に向けて言うのでした。
「そうじゃないのか?」
「今は別よ」
またあっさりと言うフロプシーさんでした。
「だって私今はお料理してるから」
「だからか」
「そう、シチューの後は人参のパイも作るから」
「それで今は手が離せないっていうんだな」
「さっきから言ってるでしょ」
「どうしても吸いたいならか」
「自分で買って来てね」
またこう言うフロプシーさんでした。
「わかったわね」
「それしかないか」
「嫌ならいいわよ」
随分と冷たい返事でした、これまた。
「あなたが煙草を吸えないだけだから」
「おいおい、その言い方はないだろう」
バウンサーさんは奥さんの今の言葉に少しむっとしたお顔で返しました。
「煙草はわしの数少ない楽しみだぞ、これがないと」
「落ち着かないっていうのよね」
「ああ、そうだよ」
まさにその通りだというのです。
「本当にな」
「だからよ」
「吸いたいならか」
「そう、自分で買って来てね」
「お金は渡してくれるんだな」
「ちゃんとね」
そのことは安心していいというのです。
「それは安心してね」
「だといいがな」
「じゃあいいわね」
「ああ、お金は何処だい?」
バウンサーさんは渋々ながらも安楽椅子から起き上がりました、そのうえでフロプシーさんに今度はこのことを尋ねました。
「それで」
「そこに置いてあるわよ」
フロプシーさんは振り向いて台所の入口を指差しました。
「そこにね」
「あ
[1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ