天下分け目の戦国MOVIE大合戦
武神Wとの出会い
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ライダーだ』』
… … …
『ふわ〜……ホンモノのお城だぁ』
いつのまにか右が緑、左が紫になった武神Wは、月花に「行く宛てがないなら一緒に来ないか?」と言った。月花はそれに肯き、武神Wに付いて行き、この城に来たというわけだ。
(イキオイで付いて来ちゃったけど、あとでちゃんと舞さん迎えにかなきゃ)
それにしても、城に入ってから、城の中の人々の視線が痛い。武神Wにはそうでもないのに。
『着いたぜ。ここが俺たちの仕える武将、ヒデヨシのいるとこ』
木戸の前で武神Wは居住まいを正した。
『武神W。ただ今、帰参』
すると木戸が左右に開いた。中から開けられたのだ。
武神Wはさも当然のように入ったので、月花も内心びくつきながら部屋に上がった。
上座に男が一人座っている。袴と甲冑の上から赤いライダースジャケットを着て、重そうな剣を杖のように突いてむっつり顔。もう片方の手にある軍配に「俺に質問するな」と書いてあるのはシュールなギャグだと受け取っていいのだろうか。実に悩ましいセンスだ。
隣に控える女性は、彼の恋人か妻だろうか。
春色と呼ばれる色を全て詰め込んだ、丈の短い着物。アップにした髪はどちらかといえば現代寄りだ。
とどめに、左右にはずらりと、大河ドラマで見るような家臣団が控えている。
「よく帰った、武神Wよ。して、それがお前たちが拾ったというノブナガの武神ライダーか」
武神Wに向けて、ヒデヨシと呼ばれた男が問いかけた。
自分を「それ」呼ばわりされたとか、Wは一人なのに「お前たち」と呼びかけたとか、言いたいことはたくさんあるが。まずは一つ。
『あたし、ノブナガとかいう人知らないっ』
「貴様はノブナガの領地から入り込んだ武神だ。我らにとっての敵陣から来た武神を放っておくことはできん」
『そーれーがータンラクテキなんだって! たすけてくれてありがとうだけど、武神とかイミわかんない。あたしには室井咲ってゆー名前があるし、武神なんて知らない。――見ててっ』
月花は戦極ドライバーのロックシードを閉じ、変身を解いた。目線の高さ、背の高さが元に戻る。
「子供…だと…?」
「こないちっこい女の子が、武神ライダーやったっちゅうの!?」
子供。ちっこい。地雷ワードとまでは言わないが、できれば言われたくない単語の連発に、さすがの咲も部屋の隅で膝を抱えた。
「ああ、堪忍な! 悪気があって言うたわけちゃうんよ。よしよ〜し」
女が来て咲の頭を撫でた。さらに子供扱いでよけいに胸に刺さった。
「チャチャ! 無闇に近寄るなっ。子供でも武神だぞ」
「そやったらあたしらを討つ機会はいくらでもあったはずや。せやのにそうせえへ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ