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刻命館VS帝國華撃団 帝都妖異譚
第二部
第一章
脱出 その顛末
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 大帝国劇場の地下、メカ各種の整備区画、秘密地下入り口から帝国華撃団専用の輸送車が滑り込んだ。
帰還を果たしたのはさくら、椿、放心状態の紅蘭、気絶・拘束状態でカンナに担がれたマリア・・・・だけであった。
椿が運転手にねぎらいの言葉をかけ、輸送車は所定の駐車位置に向かった。
椿の通信により、既にこの区画の人払いは済んでいる。
出迎えた副司令のかえではまず椿に紅蘭を医療室に連れて行くよう指示すると、残るメンバーを付近の小会議室に集めた。
「状況報告をお願いする」彼女たちを待っていたのはいつもの無表情のレニであった。
「オイ!」「ちょっとレニ!」紅蘭の惨状を目の当たりにしたさくら、古くからの友人でもあるマリアの痴態を見させられたカンナは声を荒げる。
それをかえでが制止する「二人共落ち着いて、とりあえず状況を整理しないと何も対策ができないわ」
医療室から戻ってきた椿が席についた所でかえでが口を開く、
「では、このメンバーでとりあえず状況整理を行うわ」あえて「会議」とは言わないのである。
「これだけでか?」カンナが疑問を挟む、「ええ、とりあえずは最低限の人数で」
当然である、霊力を持つ華撃団を妊娠させ、魔物を殖やそう等という衝撃的な敵の存在は刺激が強すぎる。そして内容的にアイリスなど顛末を伝えること自体憚られる。ちなみにすみれと織姫はそれぞれ社交会に出席中であり、これもまた各界に顔を繋ぐという歌劇団・華撃団両面の重要な任務である。すみれは会が自宅近く、織姫は会場がイタリア大使館の為、それぞれ自宅と大使館に泊まる予定である。
・・・かえでは二人が居てもこの「状況整理」に入れるつもりはなかったのだが。

 レニが口を開く「了解した、投入された戦力は順にマリア・さくら・紅蘭、後方支援に椿。損害はマリアがまず奇棲虫の中間宿主とされ、蟲に操られる形で紅蘭を妊娠させ、結果奇棲虫の最終態を出産。
戦果はこれもマリアによって館の主とされる女性を妊娠させ、妊娠によりおそらく胎内から魔力等を吸収された為館の崩壊、主は行方不明。
その後、椿による救援要請でカンナが輸送車で到着、マリアを腹部への一撃で昏倒させ要請通り持参した手錠により拘束、全員の帰還に至る」
全員それぞれに複雑な表情で肯定の意思を示す。
「でも、、結局囚われていた人たちは一人も助けられなかったし、、、多分吊り天井で、、、」
泣き出さんばかりにさくらは顔を覆う。
その時である「うう・・・ううん」マリアが意識を回復しかけたのである、マリアの右側に座っていたカンナは慌ててマリアの右腕をねじり上げ、
反対側の椿は医療室からマリアが大柄であるのと奇棲虫の理性を失わせる強い力に備え1ダースも持ち出してきた鎮静剤をマリアの左腕に注射した。
「ここは?・・・・いえ、私はとんでもないことをしてしまっ
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