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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十八話
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は、SAO唯一の《弓》を活用するスキルだ。専用装備として、二本のサーベルが与えられ、これらを組み合わせることで弓が完成する、遠近一体のスキル。矢は自動生成され、飛んでいく最中で三本に分裂する。
 習得条件は『ソードスキルの射程圏外から、三つ以上の武器またはオブジェクトを、一つの的に同時に当てることに成功した者』。ほとんど不可能な現象であり、道楽者でもない限りこの発動条件を満たせない。万が一複数いた場合は、その中で最強の者にあたえられる。習得者は《狂乱の賢者》ケイロン。
 専用ソードスキルは複数の矢をつがえて放ち、膨大な数へと変貌させるものが大半を占める。
 
 両者ともに、九十層以降の得点はソードスキルの強化であった」

 《トライツイスト》が、アインクラッドでの最終決戦において、フロアボス級まで強化されたレノンを討伐し得た理由が、そこにあった。

「ぐぅぅぅッ!!」
「ハザード!?」

 セモンのすぐ近くを、ハザードが高速で通過する。それにぴったりと追従する、軽装のグリーア。その両手が燐光に包まれている。

 繰り出される拳はいくつもに分裂して見えるほど素早い。残像にすら質量があるのではないかと思える、その攻撃は、間違いなく《流星拳》の物だ。

「第十のユニークスキル、《流星拳》。SAOで確認されているスキルの中で、唯一の『《体術》由来』のスキル。武器を持っていないという欠点を完全に度外視した、最上級インゴットすら粉砕する《素手での攻撃力》と、波動弾系のビーム攻撃を可能とする、体術派生にあるまじきスキル。
 習得条件は『一度も手に武器を持って戦った事の無いプレイヤーであること』。どのプレイヤーも最初期の時点で片手剣を装備しているため、このスキルを発動させるのは非常に難しい。ちなみに複数いた場合、やはり最強の者に与えられる予定だった。習得者は《星降らす者》ゲイザー。
 専用ソードスキルは、相手との距離に応じて追加ダメージを与える物が多い。
 九十層突破後の得点は、専用ソードスキルの強化と、波動弾のさらなる射程距離の延長」

 ゲイザーの、ユニークスキル。

 彼は《聖剣騎士団》の中でも謎めいた存在だった。《流星拳》の詳細が語られたのは、今が初めてだった。

 ――――そして。

 今の《流星拳》を最後に、セモンが知っているユニークスキルは、全て解説されたことになる。残りの二つは、セモンも、そして反応を見るに、ハザードも知らないユニークスキル――――


 機械甲冑を身に付けたグリーアと、複数の武器が《合体》した機械剣を携えるグリーア。《主》は彼女たちを一瞥したのち、こちらをちらりと見て、笑った。

「キミ達は今、疑問に思っているだろう。なぜ、自分たちの知らないユニークスキルが存在するのか。なぜ開発
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