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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
戦場の少女達
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…行った?」
「……ん」
返答を返した途端、ボックスから蹴り出された。
「いったた。ひどいよ、リラちゃん……」
「――――あいつら、何であんなに急いでたんだろ」
リラは黒尽くめ達が走り去った方向を見つめる。つられたようにそちらに視線を向けながら、ミナは口を開く。
「さぁ……、あの感じだと私達のことがバレた感じじゃないよねぇ」
「だよね」
二人して数秒顔を見合わせる。
「緊急召集!」
「トイレ行きたかった!」
「……………………」
「…………………冗談よ」
いずれにしても、現段階で何かイレギュラーが発現していることは確かだ。それが自分達にとって幸か不幸なのかは、さすがに知る術もないが。しかしそのどちらにしても、このまま知らぬ存ぜぬで貫き通せるほど少女達の心は強くない。確かめる必要は出てくるわけだ。
まぁそうよね、と少女は頷きながら腰に手を当てた。
「作戦に影響が出てきてもアレだし。様子見がてら行ってみよっか」
「うん!」
二人の少女は走り出す。
ゴキン、という音とともにシメていた黒尽くめの身体から力が抜けた。同時に、あんまり役に立たなかったメスも折れ曲がった状態で首から抜ける。
重ねられた防弾ジャケットによってほとんど首が隠れているが、しかしそれでもはっきりと分かるほどの異常な角度に折れ曲がっていた。
《DEAD》タグの付加された身体を転がしておいて、吐息を一つだけ吐き出してから《絶剣》ユウキはあたりを見渡した。
「これで終わり……かな」
すると少し離れたところで、黒尽くめのうちの一人の首に肘あたりまで腕を埋没させた少女のような少年が答える。
「応援を呼ばれたから、とりあえず取れるものは取ってここを離れよ」
ずる、と皮一枚で辛うじて繋がっているような咽頭から腕を引き抜きながら、《冥王》レンは侵入者の装備のベルトに収まる大振りなサバイバルナイフを引き抜いた。
薄っぺらな蛍光灯の光にかざすと、肉厚な刃がぎらりと剣呑な反射光を放つ。ここまでの戦闘の端々から薄々感じられたが、このナイフすらかなり
優先度
(
プライオリティ
)
の高い一品のようだ。
まじまじと眺めてから、くるりと一回転させてタキシードの内ポケットに滑り込ませた。当然ながらサバイバルナイフの大振りな刀身が、ただでさえちっこいアバターの内ポケットに入るはずもなく、切っ先がポケットを突き破ってしまったが、両手が塞がらなかっただけでも良しとしよう。
あとは、と微妙にカーブさせたシャー芯のケースをとんでもなくデカくしたような弾倉を幾つか拝借し、ゴツい
拳銃
(
ハンドガン
)
を手に取った。予想外の重量感が手を伝うが、そこまで深刻な重さ
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