マクロスF
0806話
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視線の先では、アシュセイヴァーがテスラ・ドライブを使って空を飛んでいる。ただし、その速度は前々から俺が知っていた速度と比べるとかなり速い。
そう、普通の人間ならまず確実にGで身体に異常をきたすかの如く。
それだけの速度で飛んでいるというのに、機体の軌道には一切のブレが無いのはパイロットのムウがしっかりと意識を保っているのだろう。
周囲でその様子を見ている技術班や実働班の者達も、感心した様子で見ている。
そして次の瞬間には、その速度を一切落とす事無く反転。まさに俺がニーズヘッグでやっているような強引なマニューバだ。
だが、視線の先のアシュセイヴァーはそのような機動をとっても変わらずに飛び続けている。
「どうやら問題は無いようだな」
空中を飛んでいるアシュセイヴァーを眺めつつ呟くと、俺の近くにいたレモンとマリューが自信ありげな笑みを浮かべてこちらへと視線を向けてくる。
「当然でしょう? 私達技術班を甘く見て貰っては困るわね。YF-29に搭載されていた技術は既に解析を完了しているし、L.A.Iからも技術提供はあったんだから」
「その代わりが以前言ってたフォールドウェーブシステムの返却か?」
「そ。でも問題は無いでしょう?」
悪戯っぽく笑って尋ねてくるレモンに、頷きを返す。
YF-29の扱いについては、L.A.Iとエザリアの間でもかなり揉めていた。
L.A.Iの最新鋭機なのだから、向こうにしてもそう簡単に手渡せる筈も無い。
だが、俺が提供したソルプレッサを解析した得た技術や、それによって得られた利益を引き合いに出されてはL.A.I側としても折れるしか無かった。
……まぁ、無理を言ってマクロス世界の会社の中でも最大のアドバンテージでもある俺達との交渉を打ち切られるなんて事になるのは絶対に避けたいだろうし、そうでなくてもソルプレッサはこちらが提供したのだからと利益の配分を求められては堪らなかったのだろう。
結局、最終的にはソルプレッサとYF-29についてはトレードと言うか、交換という形に落ち着き、YF-29の中でも替えの効かないシステムでもあるフォールドウェーブシステム周り一式を返却する事になった。
もっとも、それと引き替えにYF-29に使われている技術情報が詳細に纏められているデータを受け取ったのだから、俺達の損とは言えないだろう。
そもそも、フォールドウェーブシステム最大の特徴でも有るエネルギー回復に関しては、時流エンジンでも積めばいいだけだし。
ともあれ、元々YF-29の解析が進んでいる中で開発したL.A.Iから受け取った各種技術情報により、技術班は一気にマクロス世界の技術の中でも欲しかった物の大半……フォールド機関を使った各種技術、EX-ギア、ピンポイントバリア、そして何と言っ
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