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藤村士郎が征く
第16話 東西交流戦最終夜 前篇 逆転ムードからの、まさかの本陣強襲!?
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 『な、ぐっ!?』

 まさか、あの距離で躱されるとは予想だにしていなかったからか、驚くとほぼ同時にお互いに衝突しあった。

 「準、避けて!」
 「避けろ、キャップ!」

 二人を気遣いながら自分たちの見ている情報を下に、最低限かつ優先的な動作を大声で助言する。
 しかし、それも遅かった。

 黒騎士はあれを躱すだけには留まらず、空中で衝突しあった風間と準(二人)に楯を押し付けたまま、槍で突くように二人をガクトめがけて圧しついた。

 「ぐっ!?」
 「がっ!?」
 「おっと」

 あまりの衝撃により、痛みにによる声を漏らす2人。そして、それを受け止めたのは当然ガクトだ。
 それを静止したままの黒騎士は、静かに告げる。

 『この状況を踏まえて、もう一度言わせてもらう。降伏を推奨する。それにもう一度言うが、私は、弱い者いじめは趣味ではないのでな』

 しかし、誰も黒騎士の答えを返すことなく戦闘形態をとっていく。

 『仕方ない。で、あるならば。少々痛い目に遭ってもらうしかないな』

 異様なオーラを携えながらの黒騎士と、川神学園サイド残存部隊の戦いが開始された。


 −Interlude−


 「奴に引き続き、次はあの娘か。やりすぎやしないかのぅ?鍋」
 「いいじゃねえかぁ、盛り上がってよ。それより問題は、アンタの孫の川神百代ちゃんじゃねえのかよ。こっから離れてても、あの嬢ちゃんの殺気が手に取るように判るぜ」

 藤村雷画(友人)からも指摘されたことを、かつての愛弟子でもある鍋島正から、見事に当てられて唸る鉄心。
 それと同時に、頭上にクエスチョンを浮かべる鉄心。

 (昨夜は中途半端に戦闘が終わってしまい、欲求不満じゃったのに・・。更に言えば内容は知らぬが、たまに見る嫌な夢を見て気落ちして居た筈じゃ。にも拘らず、何時もより殺気の量が少ないとは如何言う事じゃ?)

 「ま、それなりに悩みが有るんだろうが、そろそろ危なくなってきたぜぇ」

 愛弟子の言葉に反応した鉄心は、先程と同じように、川神学園サイドの本陣に視線を向けていった。


 −Interlude−


 川神学園サイドの本陣残存部隊は、黒騎士に対して役割を分けて応戦していた。
 防御はマルギッテを中心に、打たれ強さやガタイに自信のあるガクトや源忠勝、井上準と言ったメンバーだ。

 「くっ!」
 「ぐぉっ!・・・くっ、まだだぁ!」
 「っ!」
 「くぉお!」

 次に黒騎士をかく乱させるために、足の速さに自信のある風間や小雪がひたすら走りながら行動制限や妨害などをしている。

 「おらおら、捕まえられるもんなら捕まえて見ろ!」
 「わっほほーーい!そんな重装備じゃ無理だと思う
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