第2部 風のアルビオン
第4章 港町ラ・ロシェール
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ですか?」
「そうです。彼ならばやってくれると、この老いぼれは信じておりますでな。余裕の態度もその所為なのですじゃ」
「確かに、彼の力があれば……」
オスマンはアンリエッタがウルキオラの力を知っているような素振りに目を見開き、真剣な顔つきになって尋ねた。
「ウルキオラ君の力をご存知で?」
先ほどまでの呆れるような態度とはうって変わったので、アンリエッタは驚きながらも答えた。
「ええ、目を取り出して戦闘の映像を見せてくれました」
オスマンは机に手をつき、立ち上がった。
「そのお話詳しくお聞きかせ願いたい」
その後、アンリエッタがウルキオラに見せられた映像をオスマンに説明した。
それを聞いたオスマンが、驚愕したのは言うまでもない。
魔法学院を出発して以来、ワルドはグリフォンを疾駆させっぱなしであった。
ギーシュは途中の駅で2回、馬を交換したが、ワルドのグリフォンは疲れを見せずに走り続ける。
乗り手のようにタフな、幻獣であった。
しかし、そんなグリフォンに負けるとも劣らずに付いてくる者がいた。
ウルキオラである。
彼もまた、全く疲れを見せず、空中を蹴り飛びながらグリフォンの横を疾駆している。
ワルドはもう驚きっぱなしである。
「ちょっと、ペース速くない?」
抱かれるような格好で、ワルドの前に跨ったルイズが言った。
雑談を交わすうちに、ルイズの喋り方は昔の丁寧な言い方から、今の口調に変わっていた。
ワルドがそうしてくれ、と頼んだからである。
「ギーシュがへばってるわ」
ワルドは後ろを向いた。
確かにギーシュは半ば倒れるような格好で馬にしがみついている。
今度は馬より先にギーシュが参ってしまうようだった。
「ラ・ロシェールの港町まで、止まらずに行きたいんだが……」
「無理よ。普通は馬で2日かかる距離なのよ」
「へばったら、置いていけばいい」
ルイズがそれに否定しようとした時、横から声が聞こえた。
「その通りだ」
声の主はウルキオラである。
「アルビオンの内情は深刻だ。一刻も速く任務を遂行するには、そのグリフォンのスピードが最低の許容範囲だ」
ワルドはウルキオラの言葉に賛同する。
「君はよくわかっているね」
「任務内容からして、この考えが当たり前だ」
ウルキオラは愛想なくワルドに言った。
「そういうわけにはいかないわ」
ルイズが2人に向かって言った。
口を開いたのはワルドである。
「どうして?」
ルイズは困ったように言った。
「だって、仲間じゃない」
「やけにギーシュ君の肩を持つね。恋人かい?」
ワ
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