第2部 風のアルビオン
第4章 港町ラ・ロシェール
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ュも感動した趣きで、後に続く。
ウルキオラは空中を蹴り、グリフォンのスピードに合わせてついて行く。
ワルドは馬のスピードに合わせているとはいえ、余裕の表情でついてくるウルキオラに驚いていた。
そんなワルドの様子を見たルイズは自慢げに話した。
「ウルキオラは本気になれば目にも留まらぬ速さで移動するのです」
ワルドの目が見開いた。
ウルキオラは心の中で呟く。
(俺の本気など見せた覚えはないがな)
ワルドはウルキオラという存在に警戒をし始めた。
アンリエッタは出発する一行を学院長室の窓から眺めていた。
目を閉じて、手を組んで祈る。
「彼女たちに、加護をお与えください。始祖ブリミルよ……」
隣では、オスマンが鼻毛を抜いている。
アンリエッタは、振り向くと、オスマンに尋ねた。
「見送らないのですか?オールド・オスマン」
「ほほ、姫、見ての通り、この老いぼれは鼻毛を抜いておりますのでな」
アンリエッタは首を振った。
そのとき、扉がドンドンと叩かれた。
「入りなさい」
オスマンが呟くと、慌てた様子のミスタ・コルベールが飛び込んできた。
「いいいい、一大事ですぞ!オールド・オスマン!」
「君はいつでも一大事ではないか。どうも君は慌てん坊でいかん」
「慌てますよ!私だってたまには慌てます。城からの知らせですぞ!なんと!チェルノボーグの牢獄から、フーケが脱走したそうです」
「ふむ……」
オスマンは口髭を捻りながら唸った。
「門番の話では、さる貴族を名乗る怪しい人物に『風』の魔法で気絶させられたそうです!魔法衛士隊が、王女のお供で出払っている隙に、何者かが脱獄を手引きしたのですぞ!つまり、城下に裏切り者がいるということです!これが一大事でなくてなんなのですか!」
アンリエッタの顔が蒼白になった。
オスマンは手を振ると、コルベールに退室を促した。
「わかったわかった。その件については、後で聞こうではないか」
コルベールがいなくなると、アンリエッタは、机に手をついて、ため息をついた。
「城下に裏切り者が!間違いありません。アルビオンの貴族の暗躍ですわ!」
「そうかもしれませんな。あいだっ!」
オスマンは、鼻毛を抜きながら言った。
その様子を、アンリエッタは呆れ顔で見つめた。
「トリステインの未来がかかっているのですよ。なぜ、そのような余裕の態度を……」
「既に杖は振られたのですぞ。我々に出来るのは、待つことだけ。違いますかな?」
「そうですが……」
「なあに、彼ならば、道中どんな困難があろうとも、やってくれますでな」
「彼とは、ウルキオラさんのこと
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