第2部 風のアルビオン
第4章 港町ラ・ロシェール
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ぶりだな!ルイズ!僕のルイズ!」
ワルドは人懐っこい笑みを浮かべると、ルイズに駆け寄り抱え上げた。
「お久しぶりでございます」
ルイズは頬を染めて、ワルドに抱きかかえられている。
「相変わらず軽いなきみは!まるで羽のようだね!」
「お恥ずかしいですわ……」
「彼らを、紹介してくれたまえ」
ワルドはルイズを地面に下ろすと、再び帽子を目深にかぶって言った。
「あ、あの……、ギーシュ・ド・グラモンと、使い魔のウルキオラ・シファーです」
ルイズは交互に指差して言った。
ギーシュは深々と頭を下げた。
ウルキオラは興味が無さそうにポケットに手を突っ込んだまま突っ立っている。
「君がルイズの使い魔かい?人とは思わなかったな」
「俺は人間じゃない」
ウルキオラの言葉にワルドは驚いた。
「人間ではない…では、君はなんだい?」
「俺はほr…」
「亜人です!ワルド様」
ウルキオラの言葉をかき消してルイズが言った。
ウルキオラは少しルイズを睨む。
「亜人…か…何は共あれ、僕の婚約者がお世話になっているよ」
「ああ、全くだ」
「ちょっと!どういう意味よ!ウルキオラ!」
ルイズはウルキオラに怒りをぶつける。
「そのままの意味だ」
「ムキー!」
ルイズは腕を交互に上げ下げし、怒りの大きさを表現する。
「ついにおかしくなったか」
ウルキオラはため息をついた。
ワルドはそんな2人の様子を見て、ニッコリと笑った。
そして口笛を吹くと、朝もやの中から珍妙な動物が現れた。
ワルドの胸の刺繍に似ていた。
鷲の頭と上半身に、獅子の下半身がついた幻獣、グリフォンである。
立派な羽も生えている。
ワルドはひらりとグリフォンに跨ると、ルイズに手招きした。
「おいで、ルイズ」
ルイズはちょっと躊躇うようにして、俯いた。
その仕草が、なんだかやたらと恋する少女に見える。
「せっかくのお誘いだ。乗ったらどうだ?馬なんかより余程速いみたいだしな」
ルイズはしばらくモジモジしていたが、ウルキオラの後押しもあり、ワルドに抱きかかえられ、グリフォンに跨った。
ワルドはウルキオラの馬が見当たらないので、尋ねた。
「君は馬に乗らないのかい?」
ウルキオラが答える前にルイズが言った。
「こ、こいつは馬に乗らなくても大丈夫なんです」
ワルドはルイズの言っている意味がわからなかった。
「そうゆうことだ。俺の事は気にするな」
「そうか、わかった」
ワルドは手綱を握り、杖を掲げて叫んだ。
「では諸君!出撃だ」
グリフォンが駆け出す。
ギーシ
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