第十八話 ~彼女の選択 T ~
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でも長らえようとするFクラス一同。
「それよりもあんな瞬間的というか早撃ち勝負な試合、あってもいいの?」
「良いのですよ、友香さん。」
「千早さん!?」
そこに立っているのはまさに千早さんその人だと思うけれども…
「きちんと千早さん本人なんでしょうね。」
思わずジト目で睨んでしまう。
「…えぇ、証明には成らないかもしれませんが、あちらに秀吉君がいらっしゃいますから。」
申し訳なさそうに、騒ぎの垣根のさらに向こうのフィールドを展開してもらうために来ていただいている先生方のいる方を指し示す。
彼女が示す方には、何故かラウンドガールの様な存在として各ラウンドごとにさまざまなコスプレをして、何ラウンド目なのかを知らせてくれ
ている美少年(美少女)が待機していた。
今はラウンド3と書かれている旗を手に持ち、現れたレーサークイーンな格好の秀吉君。
男子の大半が彼を見つめてため息を吐く。
またそれをAクラス側の観戦席に仁王立ちしている優子さんが怒り心頭といった様子で射殺さんばかりの勢いで彼を睨みつけていた。
優子さんの横には早見という男子だ立っているのだけれども、恐らく優子さんの放っている殺気を直接肌に感じているからだろうか、ガクガクぶるぶるといった感じの表現がもっとも似合いそうだ。
しかしそんな彼を笑う者はいない。
Aクラスの生徒全体がお上品だからなのか、そんなこと、その程度のことじゃないと思う。
だって観客席のAクラスのほとんどの男子が彼らから距離を取り、そして早見を同情の眼差しで見つめており、ある者は合掌までしているのだから。
「秀吉君の存在は、私としては多種多様な作戦でもっとも役立つ能力をもつ存在だと思うのですが、今回ばかりは地の点数が低いこともあるので控えにしようと思っていたのですが……」
苦虫を噛みつぶしたかのような表情の千早さん。
男子生徒をなだめるのに失敗でもしたのだろうか。
「Fクラスのみなさんがどうしても彼にこの役割をさせたいという意見が多く、またAクラスの男子の半分からも似たような要請を受けまして……あのような立ち位置に成ったのです。」
彼女の説明を聞いていて一つ疑問に感じたことを聞く。
「木下君本人はどういう反応をしたのですか?」
「えっ?そうですね……えっと?」
小さな声でなにやらをつぶやき始めた彼女、何とか聞き取れた範囲をつなげあわせると、どうやら何かの証明をしようとしているのではないだろうか。
「どうかしたの千早さん、何かまずいことでもあったの?」
「……秀吉君は…笑っているだけでした。」
知りたくもない驚愕の事実を発見してしまったかのように、途切れ途切れに告げられた彼女の言葉に、私は最初、首をひねった。
「それがどうしたって…ぇえ!?」
思わず叫んでしまい、近くにい
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