第十八話 ~彼女の選択 T ~
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
をするかい?」
「………工藤、Aだからって調子に乗るな。」
「ははぁーん、いいんだよ僕は、たとえば君が勝ったらスカートの中を見せてあげる、とかでもね?」
「……浅ましい、お前のスカートの中など」
そこで土屋君の動きが止まる。
そして盛大に血をまき散らしながら倒れてしまった。
「ムッツリーニ!!大丈夫?今輸血してやるから」
そういってどこから手に入れたのか輸血パックを手に持って側に駆け寄る吉井(学年一の馬鹿)。
「ムッツリーニ君、その程度で倒れられたら僕の立つ瀬がなくなるんだけど…」
苦笑いを浮かべている工藤さん。
それにしてもムッツリーニって……何をふざけたことを、と思ったが今の彼の行動を見ている限りそのあだ名がまさに的を射ぬききっていることに感心してしまった。
「これより第二試合を開始します、両者準備をしなさい。」
「はい、召喚!」
『保健体育 Aクラス 工藤愛子 483点』
「何だよ、あの点数は……」
隣で浅井が絶句している、あんな点数どうやったらとれるのだろう。
輸血の完了した土屋が再びフィールドに立ちあがっているのだけれどもその姿はまるで、ふらふらになったボクサーが最後の力を振り絞ってその場に立ちあがっているかのように見えた。
「悪いがFに勝機があるようには思えないんだが……」
その様子を眺めている限りだったら私も頷くところだけれども
「でも千早さんのことだから、何か策があるのだと思う。何か分からないけ…『召喚、加速』ど!?」
たった一言ぼそりと呟いたムッツリーニ君はその召喚獣をフィールドに出現させたその次の瞬間、現れた場所にではなく工藤さんの召喚獣の背後に立っていてさらにはその召喚獣の両手に持っている二振りの短刀を交互に素早く切りつけたのだ。
「なっ!?」
工藤さんがムッツリーニ君のあまりの切り替えの早さに唖然としているのを後目に、圧倒的な点数を持っていた彼女の召喚獣はあっと言う間に消えてしまった。
「勝者、Fクラス土屋!」
{保健体育 Fクラス 土屋康太 528点}
先生の勝利宣言に沸き上がるFクラス、そしてあまりの一瞬のうちに勝てると踏んでいたであろう試合に負けて納得できていないでいるAクラス。工藤さん以上の点数に目をしばしばさせる私たち。
「仕方がないな、ムッツリーニ君。僕の負けだよ。だから、ほら♪」
「…ス……ツだと!?」
グラっ、ブシャー、ばたん
「「ムッツリーニ!!」」
「……この程度では死ねぬ…」
「そうだ、どうせならデザート券じゃなくて(ごにょごにょ)」
「くはっ」
グラっ、ブシャー、ばたん
「「ムッツリーニ!!」」
あぁあ。これ何ループするのだろうか……
幸せそうに血の海に泳ぐムッツリーニ君を救助し、英雄の身命を今少し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ