第十八話 ~彼女の選択 T ~
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りにも露骨すぎて、思わず私は自分の目が狂っているのではないかと思ったほどだった。
つまり『CクラスがFクラスと同盟を新しく組むに当たって、当然ながらFとの連携は必須である。すなわち妃宮様の勇姿をじっくりと観察する必要がある。故に小山前代表は観戦武官として対Aクラス戦の様子をしかと記録せよ』とのことだ。
「はあぁ……」
「小山さんはため息ばかりだね・・」
そうやって浅井が私に笑いかけてはくれるのだけれども、私はそれに笑い返すことが出来なかった。
F対Aの試召戦争は双方代表者を選出して一騎打ちとタッグ戦を行うという、私たちの想像を遙かに下回る小規模な物になった。
それぞれの戦いごとに勝者側は望んだ物を得られるようになっているけれどもAからの「要求を聞く」と、Fからの「要求を反故にする」の二項目は互いに打ち消し合う効果を持つため、試召戦争の最後にそれらの効果は得られる、という説明が入り、それなら反故するが多く手に入ってしまったらどうするのだろうと思ったけれども部外者の私が出刃るところではない。
ちなみに、第一試合はAクラスの圧勝で終わり、ひとまず「要求を聞く」をAクラスは手に入れていた。
この後のタッグ戦二試合と最後の一騎打ちの試合でも「要求を聞く」を賭けているAクラス、取りあえずFクラスは第三試合の要求反故をとることが可及的な目標だろう。
そしてFの大一番たるタッグ戦第二試合には千早さん自らがでるのであろう。その試合でFクラスが要求して賭けているのは「設備交換」
施設を要求している時点で建前として模擬戦だなんて言っているけれども、試召戦争と変わらない、そのことは対Aクラス戦はやらないという意志の現れにも思えた。
千早さんから私と浅井君には、この戦いの如何によらず対Aクラス戦は何かしらの結末を迎えるだろうという意味深なことを言われていた。
だから今私が頭を抱えるそぶりを見せたら浅井は、妃宮さんの言葉に対してか、それとも緩くなった軍令部について悩んでいるだろう思うであろう。
そんなことはほんの一部に過ぎない。
今私の頭の中は、とんでもないと笑い飛ばされるような想像がずっしりと蜷局を巻いて私を待ち受けているのだ
(千早さんが本当は男だった、だなんてバカなことを、どうして考えるのだろう。一人称が僕の女の子だなんて、少ないだけで実際問題射るじゃない。今フィールドにいる工藤さんだってそうじゃない。)
大島先生がフィールドを展開させる。
第二試合の勝負である保健体育、Aクラスからは工藤さんが、Fクラスからは土屋君という男子が指定位置に立つ。
二人とも大島先生に気に入られているみたいで、二人を大島先生の愛弟子二人と見なすこともできるとか。
「僕は君と一回直接やってみたかったんだよね、ムッツリーニ君。どう、僕たち二人でも何か賭
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