悪魔、やってます
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いるからな」
「大戦期のツケ?」
「いずれ知る事になるだろうが、今は知るべきではない」
「何よ、子供だから隠すの?」
「いや、そうではない。だが、アーシアにとっては辛い事実になる。覚悟が出来ないうちに聞くべきではない」
「アーシアが?」
「私がですか?」
「どうする?聞きたいのなら話そう。だが、辛いぞ。真実を知る事が常に良い事であるとは限らない。ここで見ない振りをする事も出来る。だが、いずれは知る事になるだろう」
「……私に関係がある事なのですよね」
「ああ、この中で一番関係がある」
「……聞かせて下さい」
「良いんだな?」
「お願いします」
「分かった。結論とそれに至った過程、どちらから聞きたい?」
「結論からでお願いします」
「分かった。では、結論から話そう」
そこで一度ゼオンはタメを作り、結論を告げる。
「聖書の神は既に存在していない」
「…………えっ?」
「もう一度言おう。聖書の神は大戦期に討たれている。何処の勢力も隠しているが、事実だろう神の愛は存在していない。だから、それだけ祈ろうが神が誰かを救う事はない。アーシア、君自身の存在がそれを示している。『聖女』の噂は悪魔のオレでも知っている。君が救われていない時点で神は居ない」
ゼオンの神が既に死んでいると言う言葉をようやく理解したのかアーシアが震えだす。涙をその目に溜めて、零れない様に我慢している。ゼオンは私の方を見ている。えっと、慰めろってことかな?とりあえずアーシアの頭を抱きしめてあげて泣いているのを隠してあげるとゼオンは満足した様に顔を縦に振る。
「神の不在は今まで隠されてきていたがそれが表面化してきた。今まで赤龍帝と白龍皇の宿主は生涯人間だったにも関わらず、今代は両方が人外。そして、オレの様な突然変異と呼べる程強力な個体が生まれている。時代が動く前触れと考えた方が良い」
「ゼオンの予想だとどうなるの?」
「色々な伝手や昨今の情勢を考えるなら、天使か堕天使か悪魔かその他かは分からないが、そこそこ大きな事件を起こすだろう。その事件が収まった後に、情勢を考えて天使堕天使悪魔の三勢力での停戦か同盟が結ばれるはずだ。そして、それに反感を持つテロリスト達との戦争。ここまでは確実に起きるだろう。その後は少し読み切れんな。細かい事象が幾つも複雑に絡みあいそうだ」
戦争か。あまり実感が沸かないな。そもそも大戦期って何なんだろう?
「なるほど。もしかして、そのそこそこ大きな事件と言うのが行われそうなのが」
「確実に駒王だろうな。昔から龍は戦いを呼び込む。歴代の赤龍帝がそうだったからな。それに、駒王には魔王の身内が二人も居る。事件をでかくするにはうってつけだな
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