暁 〜小説投稿サイト〜
横浜事変-the mixing black&white-
少しずつ浮き上がって来た裏の事情を赤島は推測する
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間の援護に迎えた事を見届けてから、モヒカンは改めて敵に目を向ける。相手は三人いるのだが、二人は閃光弾の威力でまだ動けていない。モヒカンの特徴を直に破壊したもう一人はようやく視界が元に戻ったようで、眼前で殺意の炎に燃えているモヒカンを見て口をわなわなさせながら腰を抜かしていた。右手に持っていたナイフは今にも落としそうだ。

 そんな哀れな敵を見て、モヒカンは口角を三日月形に吊り上げて、低い声で殺害宣言を行った。

 「楽しい楽しいお祭りの時間だぜ、クソ野郎」

*****

 宮条は複数の敵に囲まれながらも仲間が来た事をちゃんと把握していた。投擲用ナイフで眼前にいた敵の腕を切りつけながら、いつもより大きい声で相手にタイミングを教える。

 「暁君!」

 その声に反応して、パン、パンと軽減された発砲音が耳を打つ。それらは宮条を後ろから刺そうとしていた敵の右腕と右腰にヒットしたようで、後頭部から男の野太い呻き声が聞こえた。

 ――成長したみたいね。人間としては退化かもしれないけれど。

 心中でケンジをそう評価しつつ、左手を切り付けようとしてきた殺し屋の顔面に裏ケンを叩き込む。それでも敵は抗い、顔を手で押さえながら、もう片方の手に握る拳銃をこちらに向けてきた。

 「ッ!」

 咄嗟に銃口を虚空へと向ける。その直後銃声が虚空に広がり、そのまま男の股間目掛けてキックを食らわせる。敵は目を白くさせながらその場に倒れ込んだ。そこで一息吐いて男の頭をナイフで刺そうと思ったのだが、

 「死ねや女ぁ!」

 そんな声と共に右斜め後ろから鉄パイプが振り下ろされる。あまりに唐突な攻撃に身体が回り切らず、対処出来ないと宮条が悟ったとき、敵のさらに後方から銃声が響いたのを彼女は掴み取った。

 次の瞬間、顔すら見れていなかった敵が鉄パイプを持ったまま膝から崩れていくのを彼女は目の前で見た。そして敵の後ろで銃をこちらに向けたまま立っている少年を見て微笑する。

 「ちょっと気合いの入れすぎじゃない?」

*****

 山下埠頭はすでに沈黙に包まれていた。各地の戦闘が全て終わったようだ。赤島やモヒカンの状態も気になるが、彼女は自嘲気味に笑った。

 ――今は他人より自分を心配するべきよね。

 宮条が異変に気付いたのは裏ケンで敵の顔を攻撃した時だった。背中がズキズキする。動く度に内側から壊れていくような感覚。その正体が何なのか、手で近くを弄ってみたら、指が真っ赤になって帰ってきた。

 ――いつの間に刺したんだか……。

 ナイフで刺されたのか、自分のようにナイフを投げて突き刺したのか。いずれにしても、それに気付かなかった事実は変わらない。

 ――やっぱり、余裕はなかったわね。

 とはいえ
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