第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十六日・夜:『屍毒の棘』
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。無論、少女二人の事。早速『女の子二人だけじゃアブネェからさ、俺たちが一緒にいてあげるよぉ〜(笑)』と寄ってきた不良達八人は、業務用の大きなゴミ箱に纏めて突っ込まれている。
「あんな奴、居ても居なくても結局同じな訳よ。私と絹旗の二人で十分でしょ」
「それで超不安が残るから、待ってる訳ですが」
「あはは、結局卑下しすぎな訳よ、絹旗は〜」
「……これだから、超不安なんですよ」
けらけら笑うフレンダに、溜め息を溢した最愛。真意は伝わらなかったようだ。
その最愛が見詰めた先、丁度営業を終えた医院から、医者が出てきた。事前情報から、あれが最後の関係者だと判断する。後は、医院に潜入して証拠を押さえ、当該の医師を拘束して引き渡すだけ。簡単な仕事だ、額面通りなら。
そして、こう言う仕事ほど額面通りにはいかない事を彼女は知っている。きっと、面倒な仕事になるだろうと。
「超文字通り、『猫の手も借りたい』ですねェ。ッたく……」
フレンダと同じく、空き缶を蹴り飛ばす。不良達を打ちのめして突っ込んだ際に溢れたものを。
大能力『窒素装甲』に包まれた足で為したそれは、スチール製の空き缶を壁にめり込ませるだろう威力と速度で。
『遅れて飛び出てニャニャニャニャー────ンべェし?!』
「「あ」」
狙い済ましたかのようなタイミングで曲がり角から勢い良く飛び出して戯けてきた、性悪猫の無防備な顔面に……縦にめり込んだのだった。
………………
…………
……
明かりの絶えた院内を歩く、三つの足音。無論、嚆矢とフレンダ、最愛の三人の物である。何かしらの機械が働いているのだろう、低い地鳴りのような音のみが木霊する中を。
『ニャハハ、潜入成功ニャア。それじゃあ、成果を押さえるナ〜ゴ』
上機嫌にも程がある声色で、嚆矢が笑う。ただし、微妙に鼻声で。空き缶の直撃で曲がった鼻を、無理くりに戻した状態のまま。フレンダと最愛を、自らの能力の効果範囲である『手の届く距離』……即ち、両肩に抱いた状態で。
魔術的な感知や能力的な感知の両方を『運良く』回避しながら。
「……で、何時までこうしてなきゃいけない訳よ」
「超ぶん殴ってもいいですか?」
左右からのそんな声も、今なら小鳥の囀りのようなもの。実に心地がよい。だから、彼は左右に語りかけるように。
『そうだニャア。それじゃあ、最愛ちゃんは入口の警戒、フレンダちゃんはオイラと一緒に来て欲しいナ〜ゴ』
「ハァ?! 結局、何で私とあんたな訳よ!」
『そりゃあ、最愛ちゃんは一人でも大丈夫そうだからニャア。けど、フレンダちゃんはどうも危な
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