サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!
サッカーを応援しよう
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の子なんだから。男の子に「かわいい」なんて思っちゃだめなんだから)
咲は改めてグラウンドに集中した。
第一ラウンドが後半に入ってから、紘汰も鎧武に変身した。
鎧武とバロンが同時に高くジャンプする。果たしてボールを蹴るのはどちらか。咲は両手を組み、息を凝らして見つめた。
ボールを蹴ったのは鎧武のほうだった。
鎧武はオーバーヘッドシュートでバロン側のゴールにボールを蹴り込んだ。さすがのナックルも受け止めきれなかったらしい。ゴールが決まって、チーム鎧武に1点が入った。
「やったあ!」
わあっ、と歓声を上げる、チーム鎧武側のサポーター。
――その後も鎧武はアーマードライダーとしてのスペックを遺憾なく発揮し、チーム鎧武の点数を勝ち越したままで試合終了となった。
「おにいさん、すごい。あんなにサッカー上手なんだ」
シャムビシェは未だ熱冷めやらぬ様子で呟いた。
「え? てことは、シャムビシェにサッカー教えた人って、紘汰くんなの!?」
「名前は知らない。けど、あの人だよ」
シャムビシェは立ち上がった。その顔は抑えきれない興奮に熱している。
咲は慌てて、シャムビシェのパーカーを引っ張った。シャムビシェが紘汰に会いに行きたいと思っているのが伝わったからだ。
「サキ?」
「あたしたちね、元の世界でオーバーロード……フェムシンムの生き残りと戦ってるの。だから、シャムビシェって名乗ったら、紘汰くん、ヘンにケイカイしちゃうかも。だから、そのぅ」
「名乗りを変えればいいんだね」
「う、うん。“シャムビシェ”って、フェムシンムのコトバだとどういう意味?」
「――紺色とか瑠璃色とか、そういう感じだったと思う」
(コン、だとキツネっぽいし。ルリ……は、女の子の名前っぽいから、だめだ。男の子につけちゃダメな名前だ。英語だと紺色って……あー、思い出せないっ。瑠璃ならラピスラズリって宝石あるから分かるんだけど……お?)
「ラピスラズリってどうかなっ? ルリ色の宝石の名前」
「呼びにくくない?」
「あぅ」
「でも響きは好きだな。そうだっ。縮めて『ラピス』でどうだろう。これなら人間の発音でも呼びやすい?」
「よびやすい! じゃあ今から、シャムビシェあらためラピスでっ」
「うんっ」
ラピス、ラピス、と彼は何度も口にした。喜んでもらえたようで、咲も嬉しくなった。
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