1部
18話
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雇う理由は世間体だろうな。違法な工事を行うグループが忍を雇い、ガトー暗殺を図ったがそれに対してガトーは真っ当な忍を雇うことでそれを撃退した。その様なストーリーを世間に知らしめるのだろう。
あくまで私達は世間体に為に、本命は霧隠れの優秀な抜け忍だろう。いくら黒い噂の絶えない企業であろうと指名手配犯を大っぴらに雇うのはリスクが大きすぎる上に、例えそれを隠そうとしても表向きに忍を雇わなければ建築業者の雇った忍をどうやって躱したのか怪しまれる。
……さて、この状況で最も私が利益を得られるにはどうすればいい?
…………………ふむ。
…………なるほど。
……これだな。
「先生、私はこの任務引き受けようと思います」
「ヒジリさん!?」
「ヒジリ!?」
「……忍である俺が言うのもなんだが、悪人に加担する事になるがいいのか?」
「悪人に加担?いいえ、私はチャンスを逃さないだけですよ」
「…………はぁ、今度はどんな悪巧みしてるの?」
「さてね、まだ粗筋程度でしかないので話すのはもう少し後になるな」
「そう……じゃあ、私も受ける。ヒジリって情けと容赦と常識は無いけど物事の善し悪しはちゃんと分かってるから、任務の内容を踏まえた上で受けるって言ったならそれを信じるわ」
「……テンテン、褒めるか貶すかどちらかにしてくれないか?」
「そう思うなら常識を学んで」
「善処はしよう。で、リーはどうする?」
私はリーの方を向き、彼に問いかけると彼は暫くの間考え込んでから返答した。
「ヒジリさん、一つ聞いても構いませんか?」
「なんだ?」
「ヒジリさんの粗筋通りにいったとしたら、僕は罪の無い人に拳を振るう事は無いんですか?」
「ああ。それ以前に万事上手く行けば今回の任務、私達は人に対して武力を行使する事は無い」
「分かりました、僕もヒジリさんを信じます」
「……分かった。それでは明日の正午に木の葉を発つ、今日はこれで解散だ」
任務が決まったとなれば、早速用意を始めなければならないな。
任務当日、必要な資料や忍具等を詰めたアタッシュケースを持ち、余り好みではないが化粧をし、茶色のカラーコンタクトを装着し髪は一つ括りにして、白のスーツ姿で集合場所へ向かう。ちなみに、この変装故に面は巻物にしまっている。
「ヒジリ様、一体その格好はなんですか?」
「ちょっとした小細工だ。私とてこんな格好は好みではない」
「そうですか」
ネジとそんな事を話しながら集合場所へ到着すると、テンテンとリーから名を尋ねられコンタクトを一時的に外す事で漸く信じて貰えるという面倒な一幕があった。
テンテン曰く、「あのヒジリがそんな真人間みたいな格好をするはずがない」
リー曰く、「変装ではなく変化の術だと思いました」
……リ
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