桜散る季節。
前書き [1]後書き
桜というのは、3月末から4月の初めにかけて咲く。
卒業式ではまだ咲いていないし、入学式の頃になれば、もう散りかけている。
道には花びらが積もり、それらを踏んで歩く少年少女。
皆、同じ方向へ歩いていく。
彼らは、この先にある、小南中学の新入生である。
その中に、浅野里緒はいた。里緒も小南中学の新入生で、部活動も決まっていない。
里緒「あれ、優樹菜…?」
里緒は、人混みの中に懐かしい顔を見つけた。
澪里優樹菜(みおりゆきな)。里緒が幼い頃、隣の家に住んでいた少女だ。
小学校だって、当然同じ所に入ると思っていた。けれども、父親の転勤で、ずっと遠くに行ってしまったのだ。
もう、二度と会えないと思っていた。
里緒「優樹菜!」
声をかけると、人混みの中で、優樹菜が振り返った。
優樹菜「あ……。里緒……?」
確かめるようにこちらをジッと眺めた後、パッと表情が明るくなった。
優樹菜「里緒?里緒だ!」
優樹菜がこちらへ向かって走って来る。里緒もそれにならい、走り出す。沢山の人を避けながら。
里緒「優樹菜!ひさしぶり!元気にしてた?」
優樹菜「うん!でも、こっちで里緒といる方がずっと楽しい!」
その時、ふと、視線を感じた。
里緒「あ…」
行き交う人が皆、こちらを見ている。
二人だけ、異様にテンションが目立っていたようだ。
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