九校戦編〈上〉
トーラス・シルバー×飛行魔法について
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、作動中の魔法をキャンセルしてから新しい魔法を発動すれば良いと思うんですけど」
さっきの泣きそうな顔から打って変わった真面目モードと化した中条先輩だったけど、蒼太に聞いたら今の所どこの企業でも発表されていない技術なんだと。もしかしてまた俺が発表しなければいけないのかね?市原先輩は落ち着いた感じで質問していた。
「理屈ではそうなりますが、具体的にどうやって魔法をキャンセルするのですか?」
「先に作動中の魔法式に、あらかじめ終了条件として、鍵となる魔法の挿入をプログラムしておけばいいんじゃないでしょうか。つまり、鍵となる小規模の魔法式を作動中の魔法式に投射する事を魔法の終了条件にしておけばいいと思うんですけど」
自分のアイデアに没頭している顔で熱くなっていたが、市原先輩はあくまで冷静に反論して見せた。
「残念ですか、魔法式は魔法式に作用できません。魔法式はエイドスを書き換えるのみです。同一のエイドスに同時に二つの魔法式を投射しても、より干渉力の強い魔法式がエイドスを上書きするだけで強い魔法式が弱い魔法式を消去している訳ではないのです。魔法式を分解消去する対抗魔法も存在しない訳ではありませんが、あれは情報体の構造に直接干渉する超高等魔法で、実験室レベルならともかく、実用レベルで使いこなせる魔法師は確認されている限り皆無です」
「そうなんですか・・・・」
市原先輩の長い解答お疲れですと言いたいが、俺は現代魔法を知り尽くした訳でもないからたまにちんぷんかんぷんになる。俺は魔法をイメージで使っているから起動式から魔法式にしてというのは一切使っていないけどな。魔法陣や詠唱は起動式となったのはさすがに知っているが、現代魔法の発動プロセスとは違うからな。俺の魔法は現代でも古式でもないから、一瞬イメージしたのをそのまま魔法を出せるだけの話だ。市原先輩が説明した事柄は標準進行で二年生二学期から、基礎魔法学に代わって学ぶ事になる応用魔法学の中の「対抗魔法」・・・・相手の魔法を無力化する為の魔法・・・・に関する事に含まれる知識。俺で言うなら全ての異能から魔法を無効化できる力の事を言うけど、標準進行で三年生の一学期に割り当てられているセクションであり、中条先輩が知らないのは無理が無いと言える。
「ですが、面白いアイデアです。魔法が作用している状態をキャンセルするという考え方は間違っていないと思いますよ」
「そうね。要求される干渉力がインフレスパイラルを起こすのは、作動中の魔法を上書きするからだもんね」
市原先輩は、熱中したり落ち込んだりしている中条先輩を優しい顔で微笑かけるし、会長も中条先輩の発想に肯定的に反応を見せたのだった。
「今まで考えた事なかったけど、作用中の事象改変が止まれば、次の魔法を発動するのに干渉力の上乗
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