九校戦編〈上〉
トーラス・シルバー×飛行魔法について
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輩に関して助け舟を出したのは会長だった。
「ところであーちゃん、お昼休みの内に、課題を終わらせておくんじゃなかったの?」
俺にとっては助け舟となったが、中条先輩にとっては時間を多めに潰してしまった様子だ。トーラス・シルバーに関してだったからなのか、現実逃避気味だったのかもしれない。
「会長!」
泣き出しそうな顔で、サイン色紙を抱えていたので実にかわいい仕草であった。どうやらかなり煮詰まっていた様子だった。
「そんな情けない顔を出さないの、少しくらいなら手伝ってあげるから。それで課題は一体何なの?」
委員長からは「相変わらず甘やかしているな」と言いたげな目を向けるが、俺的にはむしろ気付かないフリをして会長は笑いかけた。
「すみません・・・・実は、『加重系魔法の技術的三大難問』に関するレポートなんです・・・・」
シュンとした顔で告げた中条先輩の許へ、市原先輩と委員長と俺の視線が集中した。いきなり注目を浴びて、ビクッと肩を震わせ、首をすくめた。今にも泣き出しそうな顔でそんな真似をされては、まるで俺達が虐めているみたいな気分になるので、すぐに視線を逸らした。俺と市原先輩は目を逸らすが委員長だけは逸らさなかった。
「ほほう・・・・」
委員長は興味津々の目付きで中条先輩を、正確には彼女の手元にあるタブレットを見詰めた。
「毎回上位五位から落ちた事のない中条が随分と悩んでいるから何かと思えば」
「毎年必ず一回は出題されている定番のテーマじゃないの」
委員長のセリフを会長が不可解と言った面持ちで引き継いだ。
「あーちゃん、今回の設問は?」
定番だけあって、設問のバリエーションも既に出尽くしている観があるくらい豊富にストックされている。校内の課題だけでなく、魔法大学の受験過去問題集にも収録されている程のテーマである。様々あるそれぞれの設問に対する解答例も少し調べれば簡単に見つかるはずなんだけど。それに魔法で技術化をするのは、難しいが技術で技術化はもうしている。ソレスタルビーイングが所有しているガンダムやオートマトンにISもあるからな。重力制御型熱核融合炉は核融合炉は核エンジンだし、汎用的飛行魔法は俺のエレメンツの一つ風で飛ぶか翼展開するかISで飛ぶかだし、疑似永久機関は俺達流で言えばGNドライブの事を指している。
「課題の内容は『三大難問』の解決を妨げている理由についてです。他の二つは分かったんですけど、汎用的飛行魔法が何故実現できないのか、上手く説明できなくて・・・・」
それを聞いて、なるほど、と頷いたのは市原先輩だった。
「つまり中条さんは、これまで示されてきた解答に納得がいかないという事ですね」
「そうなんです!」
胸の内を代弁してく
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