九校戦編〈上〉
トーラス・シルバー×飛行魔法について
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きく揺れなかった。それは沙紀が肩を押さえていたからである。これに関しては本人に言っているのとほぼ同じなので深雪が動揺するとバレる訳だからなのか。
「えーっ!ホントですかっ?いいなぁ」
予想通りのリアクションだったからか、今度は対処して見せようとした俺であった。
「今度、新製品のモニターがあればワンセット譲っても構いませんよ?」
「えっ!?ホントに!?ホントに良いんですか!?ありがとうございますっ!」
あまりの喜び振りに、すぐに答えを出さなかったが頷くようなジェスチャーを出すと中条先輩は俺の空いた手を両手で掴んで、ぶんぶん上下に振り回した。これにはさすがの俺でも対処不能となったと感じた会長だったのかすぐに対応したのだった。
「・・・・あーちゃん、少し落ち着いたら?」
中条先輩がピタッと動きを停止してから、恐る恐る俺の手をしっかり握りしめていたので、そっと顔を上げて俺を見ると少し困った様子の俺であったために両手を離して謝って来た。俺としては盟友であるトーラス・シルバーに一ファンのメッセを伝えてもいいと思ったが、いずれバレると思ったのでやめた。耳まで赤くなっていたので、顔が真っ赤になっていた。落ち着いた中条先輩は質問してきたけど、正直どう答えようかなと考えた。
「もしかして織斑君は、トーラス・シルバーがどんな人かも知ってたりしませんか?」
と訊ねてきた。照れ隠しである事は誰に言わなくとも分かる事だ。ただしこの質問に関しては非常に答え辛い質問でもあった。
「そうですね〜、俺の盟友ぐらいに秘密な人物なんでどんな人かと言われても困りますね。一言で言うなら、詳しい事は何も知らないと言っておきましょうか」
壁際でピーと音が鳴ったが、あの音は深雪が使っているワークステーションの不正操作のアラームである。誰にでもミスはあるのでおかしな事ではないが、アラームが鳴るというのは深雪にとっては珍しい事だ。もしかして動揺しているのか?会長も市原先輩も「おやっ?」という表情で壁に向かっている深雪に視線を投げていたが、深雪は何もなかったような感じでデータ処理を続けていた。声もかける事なく二人も仕事に戻った。
「・・・・深雪さんがミスするなんて珍しいですね」
「たまたまでしょう、蒼太もたまにミスするぐらいだから」
「そうですね、私も沙紀もたまにミスはします。人間ミスは誰にもありますから」
状況に照らすようにして俺の返事はスムーズだったが、蒼太もたまにある事だからと言ったら蒼太も同じくという感じだった。
「織斑君は蒼い翼の関係者なのですよね?零達也様並みに正体を隠してもいつかはバレてしまいますし、同じ研究所の人達は知っているはずですよね?それとも全部一人で作ってるんでしょうか?」
「噂で聞いた事
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