第四十六話 真意
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ん。方法は二つ、和平か、統一かです。直ぐ可能なのは和平です、人口減少は帝国だけの問題では有りません、反乱軍も同じ状況の筈です。人口が少ない分だけ向こうの方がより状況は厳しいでしょう。話の持って行きようでは和平、或いは休戦は可能だと思います。しかし……」
「貴族達が邪魔か」
リヒテンラーデ侯の言葉にブラウンシュバイク公が頷いた。
「連中は反乱軍と交渉した事を非難してくるはずです。彼らにとっては千載一遇の機会です。我々を失脚させ改革を無かったものにしようとするでしょう。そしてフェザーンはそんな彼らを煽り帝国を混乱させようとする筈です」
公の言葉に呻き声が起きた。確かにその通りだ。和平などフェザーンにとっては許せる事ではない、必ず貴族達を唆す筈だ。
「なるほどの、それであの法を作ったか。……正直に言えば公からの提案をゲルラッハ子爵から聞いた時、公の狙いは分かった。貴族達を排除しようとしているとな。余程に怒っていると思ったがそうではなかったか……。人口の減少か、気付いてはいたが……。鈍ったの、歳は取りたくないものよ」
驚いた、リヒテンラーデ侯は気付いていたのか。鈍った? ならば気付かなかった私は如何なのだ? 侯が国務尚書の地位にあるのは当然という事か、改めてリヒテンラーデ侯の凄みをひしひしと感じた。ブラウンシュバイク公の凄みも。
「では連中を排除した後に和平を?」
シュタインホフ統帥本部総長が問うとブラウンシュバイク公は首を横に振った。
「和平は一時的なものになる可能性が有ります。それでは人口の減少を根本的に止める事は出来ません。戦争を無くすのであれば統一をと考えています」
軍務尚書と統帥本部総長が大きく頷いた。二人は軍人だ、和平というのは受け入れ辛いのだろう。公にも同じ気持ちが有るのかもしれない。
「この場合も連中が邪魔になります。反乱軍を降伏させるとなれば大規模な軍事行動が必要です。当然ですが帝国領内の軍事力は手薄になる。その時、連中が何を考えるか」
「クーデター、ですか」
私が問い掛けると公が頷いた。
「反乱軍を下し、宇宙を統一すれば連中はもう何も言えなくなる。その前にクーデターを起こし宇宙艦隊を孤立させる。艦隊司令官はいずれも下級貴族か平民です。補給を断って見殺しにするくらいやりかねません」
また呻き声が起きた。そうなればどれだけの兵が失われるのか。人口の減少は拍車がかかるだろう。
「それに大規模な軍事行動を起こすとなればそれを支えるだけの財政面での裏付けが必要です」
公の言葉にゲルラッハ子爵が頷いた。
「如何なさいます、それ無しでは統一は不可能ですが」
「貴族達を排除しその領地を帝国直轄領とする事で可能になります。そうでは有りませんか、ゲルラッハ子爵」
ゲルラッハ子爵が“それは”と呻くように言
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