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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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……ごうがん……」
「……うち鯉嫌い。骨多いし」
「ううううううううう!!」
「ムラサキもいい加減少し分けてあげなよ。このバカが取り返しのつかない事しでかす前に。……ってもう手遅れか。あーもー、どうすんのよさーこれー!」
「……食べて証拠隠滅?」
「適当なところに捨てて万が一発見されるよりは、その方がまだマシか……モモー、サキちゃーん! 手伝ってー!」
アザミが振り返ると、離れて様子を見ていた二人は、忍び足で現場から去ろうとしている最中だった。
ばっちり目が合い、アザミは笑顔で手招きをする。
もし逃げる様なら全力で追いかけて、鯉の肉をその口に突っ込む。食ってしまえば共犯者である。
アザミからは逃げ切れないと悟ったのか、モモと坂崎は大人しく火の周りに集まって行った。
「……せめて醤油が欲しいですねー」
「あの、私が代わりに謝ってこようか?」
「ダメだよモモ。この事が他に知れ渡ったら、私たちまとめて二度と池に近
づかないように条件付けされちゃうよ」
「……うちこんなアホな理由で寿命縮むの嫌やで」
「ムラザギ、ごのおにぐおいじいねー」
「……もう全部あげるからしばらく黙っとき」
「ちくしょー、私もう二度と焚き火なんかしないぞ……」
鯉が火の中で美味そうな匂いを醸し始める。
燃える枯れ枝が音を立て、火の粉が夜闇に舞った。
上昇気流に乗って、光の粒は上へ上へ。
輝き始めた星々に一瞬混じり、そして消えた。
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