九校戦編〈上〉
蒼い翼特別推薦枠
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られてしまった。
「あの、だったら織斑君がいいんじゃないでしょうか」
「ほえ?」
テーブルに突っ伏していた会長が、顔だけを上げて何語だったのか分からないほどの呆気なさな声を出す。今の今まで自分のタブレットを前にして唸っていたのは、恐らく授業の課題なのでは?と俺はそう予測していた。中条先輩がタブレットの電源を切り、顔を上げた。
「深雪さんのCADは、織斑君が調整しているそうです。一度見せてもらいましたが、一流メーカーのクラフトマンに勝ると劣らない仕上がりでした」
会長が勢い良く身体を起こした。最初の気の抜けた返事の時は内心爆笑物だったが、今の会長は生気が戻った感じであった。
「盲点だったわ・・・・・!」
獲物を見つけた鷹のような視線が会長から俺に向けられた。俺は今更ですかと言いたげな表情をしていたけど、俺にはもっといいカードを持っていると知っているのはここにいる深雪と蒼太と沙紀しか知らない。
「そうか・・・・あたしとした事が、うっかりしていた。委員会備品のCADも、一真君が調整していたんだったな・・・・。使っていなくとも、毎日整備していたから思い至らなかったが」
今の所何を言っても無駄だとは思いたいが、俺は一盟友であるアイツとの約束を思い出したかのように俺は立ち上がる。
「その事なのですが、会長達は九校戦発足時からある蒼い翼特別推薦枠というのはご存じですか?」
いきなり俺がその事を言いだすので、会長達は呆気ない顔をするが市原先輩が冷静に言ったのだった。
「蒼い翼特別推薦枠とは、蒼い翼本社社長かその関係者が九校戦に出場する選手かエンジニアを指名できる枠でしたか。ですが今まで零社長か関係者の指名はありませんでしたが、なぜ今になってそれを言うのですか?」
「実は俺の盟友である零達也から生徒会メンバーにメッセージをもらっています。今日の放課後にある部活連本部の会議に零社長と九島老師がこちらに来られます。それと蒼い翼特別推薦枠としての選手兼エンジニアを指名する人物と一緒にね」
俺の発言に驚いたのは、蒼い翼特別推薦枠というのではなく零達也社長と九島烈がこちらに来るという情報は聞いた事ないと言う顔をしていたけど。そりゃそうだ、今日来るのは昨日決まったからか会長の母親である真夜か七草家当主の弘一から言っていないからなのかな。それと選手兼エンジニアという事は一人で選手とエンジニアをやると言う事だ。
「ここに零社長と九島烈が来るのか!?」
「そんな事は何にも聞いていないけど、今日来るの!?」
「はい。なので会議場を広い場所にしないと、せっかく来られる零社長と九島閣下に失礼かと思いますよ?」
選手は一科生のみでエンジニアも一年というのは前例のないものだ、それをひっくり返すのが
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