MR編
百三十七話 大乱闘
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うに引き絞ると言う、まるで技の出だしのようなフォームを取って居なければ。
少女の刀がライトエフェクトを纏う。
「“つっかまーえた♪”」
「貴方を泣かせるのは、私じゃないし……」
スキルの硬直で、まだ身体が動かない彼は、目の前に居るシルフの少女が心底嬉しそうに唇を釣り上げたのを見た。そして瞳孔の開いた瞳と彼の視線が交錯し……
「私“達”が泣かせるのは、貴方達全員だけど」
「逝っちゃええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」
カタナ 重単発技 《斬岩閃》
凄まじい風圧と共に、彼の首に剛激一つ。その一撃で、彼の首から上が胴体と綺麗に分離し、直後にエンドフレイムをまき散らした。散る寸前、彼の顔は完全に半泣きだったのだから、成程笑える話である。
「さぁって!次に“首無し”ホウイチになりたいのだーれっ!?」
「“耳なし”ね。唯でさえ物騒な話に余計な脚色加えないで」
「あれっ?そうだっけ?私アレ怖いから嫌いなんだよねぇ……」
「今のアイリの方がよっぽど怖いと思うけど」
最後の一言は聞こえないように小さく言って、つういでと言うように呆れ気味に、けれどやや面白がるように、アウィンは言った。
「……そう言う意味よ」
────
「おうっりゃぁ!」
振りかざした武骨なカタナが、蒼い鎧と鎧の継ぎ目を正確に切り裂く。翻った刃が更に相手の手首を捕え、減少したHPを更に追加で減らす。其れでピッタリ、蒼い鎧を着込んだ男のHPは消失した。
「おっしゃつぎ、うわっひぇっ!?」
「調子こいてんじゃねーぞオッサン!」
「誰がオッサンだこの野郎!おれぁこれでもまだ20代だ!」
言いながらカタナを構え直したのはクライン。彼は現在、通路の壁を背にするようにして戦っていた。初めはヒョウセツを庇う形で前衛をしていたのだが、流石に数が多すぎてかばいきれず、現在彼女は隣で槍を振るっている。
「大分減ってきましたね」
「おうよ。キリの字とレコンのヤローにこっちの連中も殆ど集中してるし、前の連中はリョウが片づけて終わりだ。後はこっちは楽っちんだな」
「油断はしないように、クラインさんに落ちられると護衛が居なくなっていざという時困ります」
「とほほ……必要とされるならせめてもう少し優しく……」
「?何かおっしゃいましたか?」
「いえ何もいっておりません!」
即座に言って、クラインはカタナを正眼に構え直す。見据えた先から振り下ろされたポールアックスの先を、カタナの剣先でずらし、一歩踏み込む。
「うぉっ!?」
「そぉらっ!」
踏み込んだ直後に踏み込まれて、即座に対応できる長物使いは少ない。まして、ポールアックスのような重量のある武器を振り回している場合など尚更だ。
教科書のお手本のような対応だ
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