MR編
百三十七話 大乱闘
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ど……」
少女の剣は中ほどから真っ二つに折れ、回転しながら落下した剣尖が地面へと突き刺さると同時に、青白いポリゴンとなって消えた。
「この戦いは、俺達の勝ちだ。引いてくれないか?」
既に三十人近くいた後方部隊のメンバーは、誰一人として、立ってはいなかった。
────
「……むぅ、パパ、女の子には優しくないですか?」
「え?いや、そんなことはないぞ?……たぶん」
────
「どーやら、向こうもケリついたみてーだな。どうする?降参するかい?」
「……くそっ……!」
初めの勢いは何処へやら。と言うべきか。先程までは四十人を超えるメンバーの指揮官だったリーダーは、リョウの問いに対して息を荒くしながら悪態を突いた。
それも、現在の彼が置かれ打状況を見れば仕方ないと言えるだろう。何しろ彼が率いていた……いや、正確には率いる筈だったフルレイドのパーティの内戦えるメンバーは既に彼だけになって居たのだ。勿論、彼の周囲に居た彼の前方組六人も、碌に目の前の男に近寄れもしないまま、一撃で屠られ続け、今は彼一人である。其れもこれも全ては、立った二つのパーティによって、いやあるいは……
「お前ら、こんな事して一体なにがしてぇんだよ……」
「あ?んー、まぁ知り合いの後押しって奴だ。まぁお前らには悪いんだが、そっちもアンだけの事してんだ。お互い様だろ?」
「そう言う事じゃねぇ!」
「?」
荒げていた息を何とか整えながら、リーダーは怒鳴った。そう、そう言う事ではないのだ。問題なのは其処では無い。
「お前ら、自分等のしてる事が意味がねェ事だって分からねーのか!?たったワンギルド、ましてワンパーティしか組めねーような規模の小さい弱小ギルドが単独でボス攻略!?そんなもん無理に決まってんだろうが!!」
「…………」
「彼奴等は現実が見えてねェ唯の初心者!こっちはこの攻略のために何週間もかけて準備してんだぞ!うっとおしいんだよ!ああいう奴らは!!」
「……ま、言いたい事が分かんねー訳じゃねぇけど?」
肩をすくめながらそう言って、リョウは小さく溜息を突いた。
確かに、彼等のようなボス攻略を専門にやっているギルドからしたら、ぽっと出の小規模ギルドがボス攻略などと言うのは、正直面白くないだろう。だが……彼の主張は根本的に矛盾している。
「なら、何で彼奴等の事邪魔するような真似した?絶対無理だってんなら、そもそも邪魔すること自体……彼奴等がボス部屋から叩きだされたあとで、急いで攻略するような事する事自体が無意味だったはずだろ」
「そ、それは……」
「……お前らだって、実は感じてたんじゃねぇのか?初めに盗み見た時から、彼奴等には其れを可能にする“可能性”があるって」
「…………」
ぐ……と唸って黙り込むリーダ
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