MR編
百三十七話 大乱闘
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鉄と鉄のぶつかりあう音の響く回廊の中で、ひときわ響く声が轟いた。
「オラ、退きなっ!!無謀連中のお通りだ!!」
「くっそっ!?」
「うぉぁっ!?」
ヴンッ!!!と低い風切り音を立てて、霞むほどの速度で冷裂が空間を裂く。受けようとした重装プレイヤーが盾ごと後方に吹き飛ばされ、かわそうとした剣士は回避しきれずに冷裂の尖端にふれ、それだけで回転しながら吹き飛ぶと、空中で爆散した。
「イヤァァァッ!!!」
「うわぁぁっ!!?」
ヒュヒュヒュヒュンッ!!と空の鳴る音がする。打ち込まれた本人すら何が起きたか分からないうちに、五連撃以上の連撃を打ち込んだその音の主は勿論アスナだ。今となってはもう忘れられつつもある事実では有るが、彼女の“あの”浮遊城における二つ名は《閃光》。その名の通り、あの世界で圧倒的な力を誇った攻略組の中でも、彼女以上の速さを持つ剣の持ち主は居なかった。その剣速は、ヒーラーとしてパーティを後方から支える役割を担うようになった今でも衰えてはいない。
だが……
「ヤァッ!!」
「ぐふぁっ!?」
今彼女の隣には、それ以上の神速の剣技を持つ少女が居た。
『はえぇな……』
《絶剣》ユウキ。彼女が次々と放つ剣技はそれ一つ一つが、アスナの剣技と互角かそれ以上のスピードを誇っている。正確さに置いてはややアスナが上回るが、片手直剣である彼女の剣にはアスナの細剣には無い力強さとはきはきとした思い切りの良さが有る。全体的に言えば、“元気のよい剣”と言うべきか。そして何より、その動きの滑らかさと、反応速度は異常の域だった。
自身の直前まで剣が迫ったとしても、其れを弾き返すだけの胆力と度胸、何よりも反応速度。アスナのデュエルの時から感じていたが、あの剣には最早常人ではたどり着くことすら難しい、一つの極みが見える。それに……
『あの剣筋……』
リョウが一つの事案について思案を始めた、その時だった。
集団前方が、今度こそ完全に崩れた。先にメイジを潰された為に回復が間に合わなかったのが大きいのだろう、予想以上に速い崩壊だ。
「うしっ、アスナ!」
「分かってる!!ユウキ!」
「うん!」
ボス部屋の大門に向けて、アスナとユウキ、他のメンバー七人が走り出すその線上に……
「い、行かせんな!!」
「おぉっ!!」
「ッ!」
数人の生き残りの重装型プレイヤーが割り込もうとする。しかし……
「だから退けっつってんだろ!!」
「ひっ!?」
「なぁああっっ!!?」
走り込んだリョウがぐるりと一回転、冷裂が緑色の光を帯び、身体がそのまま回転し、彼等の内に突っ込んだ。
「破ァァァァァっ!!」
薙刀 上位四連撃技 乱嵐流《らんらんりゅう》
攻撃範囲、威力、突破力に置いても高い性能を誇
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