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Sword Art Online 月に閃く魔剣士の刃
1 遠いあの日

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 赤黒く染まった空が目の前に広がっている。
 そこに浮かぶのは血のような紅色のローブを身にまとった者。

 そしてゆっくりと、しかしはっきりと宣言した。このゲームが、命懸けのデスゲームである事を...。

 広場はざわめき、怒鳴り声が響き、泣き声が弾けた。

 ある者は膝をついて泣き喚き...。
 ある者はやり場のない怒りを喚き散らし...。
 そしてある者は街から飛び出した。

 それは少年が二人。
 片方は何かに囚われた目をして走り出した。行く手を遮るモンスターに激しい感情と共に剣を振るい、ポリゴン片に変えては走り続ける。
 まるで、逃げ様のない何かを振り払うように。

 もう片方も走っていた
 さっきの少年と目指す場所は同じようだ、しかし違う道を駆け抜ける。
 その目は冷たく鋭い眼光を放っていた。まるで何もかも、自分さえ切り裂くような鋭い目をしていた。
 剣を振るい、すれ違いざまにモンスターを屠っていく姿には迷いは無いように見える。
 そして二人が目的地で鉢合わせた瞬間、俺の視界にはいつも見ている天井が映っていた。
 見えたのは月明かりに照らされた天井。

「あの時の夢を見るなんてな・・・」

 独り呟き起き上がる。

「久しぶりに会ってみるか」

 ベッドから起き出して蒼のコートを装備する。そして長剣を背に、短剣を腰に帯びた。

「さて、この時間だとあの辺にいるかなぁ」

 そうぼやきながら家を出て転移門へと歩きだした。
 ふと空を見上げると真っ黒な夜空が広がっている。そして、そこに浮かぶ月は蒼く澄んでいた 

そう、まるで冷たくこちらを笑っているように・・・
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