番外編ー世界5分前仮説。
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僕はため息をつき。
「はあ…。偽り偽りって言うけど。
詩乃は『今』僕の事好き?」
「好きよ。」
「ならそれが答えだよ。」
詩乃が即答してくれたので僕は笑って詩乃を見る。
「過去は関係ない。『今』が答えなんだよ。
正直な話、過去なんていくらでも書き直せる。それこそ悪い政治家とかが良くやる手だよ。
だけど『今』だけは書き直せない。何故ならまだ書いてないから。だからこの『今』やる事は偽りじゃないんだ。」
「佳…。」
「だから『今』詩乃が僕を好きでいてくれていること、『今』僕が詩乃を好きでいることは嘘じゃないんだ。たとえ、5分前に出来た世界だとしても。」
僕はそのまま静かに立つと、詩乃の後ろに座って目を閉じ後ろから抱き締める。そして詩乃の耳元で囁く。
「ね?嘘偽りじゃないでしょ?」
「…バカ。」
そう言って詩乃はそのまま後ろの僕に寄りかかってきた。
詩乃は目を閉じていた。そして口を静かに開く。
「ならこのままでいよう…。5分前の嘘になる前に。」
「そうだね。『今』という本当を僕達が確認するために。」
僕達はそう言って寄り添い合う。
ーーー例え5分前に出来た嘘偽りの世界だったとしても
僕は私は
『今』の君を好きでい続ける。ーーー
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