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駄目親父としっかり娘の珍道中
第65話 蚊だって生きている
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 シグナムの拳を中心に銀時の顔がめり込んでいく。
 とても痛々しい光景であった。

「おめぇ……いきなりコークスクリューブローはないんじゃねぇの? 今ので俺鼻の辺りに大ダメージ食らっちまったんだけど」
「貴様が余りにも破廉恥な発言を繰り返すからだ。これ以上そんな発言をしてみろ。確実にこの小説が打ち切りになってしまうんだぞ!」
「馬鹿かてめぇは! そんな女の○○が出ただけでこの作品が打ち切りになるかってんだ! こっちの話じゃぁなぁ、原作じゃ散々男の恥部を曝け出してんだよ! もう使い古されてんだよ下ネタはよぉ! もう男の下ネタじゃ誰も食いつかねぇんだよ! だったら今度は女の下ネタに行くしかねぇじゃねぇか! そうすりゃ読者も食いつく筈だろうが!」
「阿呆か貴様は! そんな事をしたらこの小説に「18禁」タグがついてしまうぞ! この小説は一応健全な作品を謳っているのだぞ! その根底を主人公である貴様自らが瓦解しようと言うのか?」
「良いんですぅ。主人公なら何しても許されるんですぅ!」

 シレッと言い切る辺り流石銀時だと言えた。
 が、仮にそんな事をされたらシグナムの言う通り本当にこの作品に18禁タグをつけねばならなくなる。それだけは勘弁であった。

「シグナムの言う通りだ。これ以上てめぇが主役を張るようじゃこの作品自体が下品なネタのオンパレードになっちまう。いっその事ここらで主役交代しといた方が良いんじゃねぇのか?」
「あんだとぉ? この俺を差し置いて誰がこの小説の主役をやれるってんだよ! 大体元々歴史の偉人キャラの名前をもじっただけの奴とエロゲーの改ざんキャラが雁首揃えたって主役になれやしねぇんだよ。もうちっと自分のキャラを考えろや」
「それてめぇもだろうが! てめぇ一人がオリキャラって顔してるけどなぁ、てめぇだってちゃんと元ネタあるって事位読者の奴らは皆知ってるんだからなぁ!」
「時代が違うだろうが時代がよぉ。俺の元ネタはてめぇらの大大大先輩なんだぇ。もちっと先輩を敬えやこらぁ」

 三人揃って互いに睨み合いながら喧々囂々しあう奴ら。
 正に一触即発と言った具合のその中にまでも鬱陶しい蚊の羽音が喧しく響き渡る。
 こんな時まで空気を読まずに来るとは、害虫は皆KY属性持ちのようだ。

「さっきからブンブン五月蠅ぇんだよ! ちったぁ空気を読めや蚊の分際―――」

 三人が喧しい羽音のする方へと視線を持っていく。
 しかし、其処に居たのは空中を不気味に飛び回る赤い着物の女であった。
 何と、赤い着物の女は空を自由自在に飛ぶ事が出来ると言うのだ。
 余りの唐突な事実に驚きの表情を隠せない三人。
 唖然として開いた口が塞がらないとは正にこの事であった。

「ななな、何だよあれ! 最近の幽霊ってのは空も飛ぶのか? 
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