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駄目親父としっかり娘の珍道中
第65話 蚊だって生きている
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 沖田以外の人間が一番乗りした事により場の空気が更にヒートアップしていく。こうなれば是が非でも沖田より先に上がろう。そう言った思いを胸に少女たちは戦場へと舞い降りていく。しかし、彼女たちの前に立ちはだかるはドSマスターの異名を持つ沖田総梧。どんな卑劣な罠が待っているか分かったもんじゃないのだ。

「いや、皆心配にならないの? 銀さんや土方さんやシグナムさん達の事少しでも心配にならないの?」
「心配性だなぁ、仮にも烈火の将を自称している奴だ。たかが幽霊如きでやられる筈がねぇっての。寧ろ逆に返り討ちにするだろうさ」
「ま、まぁ……ヴィータちゃんが言うと納得出来る気がするけど、でもその幽霊にシャマルさんがやられちゃってるんですよ。仮にもヴィータちゃんやシグナムさんと同じ騎士であるシャマルさんを卒倒させちゃうんだから相当やばい相手なんじゃないんですか?」
「う〜ん、確かに新八にそう言われるとやばいかもなぁ」
「でしょ、やっと分かってくれた?」
「あいつがいねぇと洗濯物全部ごっちゃにして洗っちまうんだもんなぁ」
「って洗濯物の心配しかないんかいぃぃぃぃ!」

 因みに屯所内での洗濯物担当はシャマルだったりする。その前にシグナムとザフィーラにやらせた事があったのだが、見事に色物や男子女子混合で洗ってしまった為に女性陣の下着類が見るも無残な結果になった為にシャマルが担当すると言う結果に行きついた訳である。

「あいつが洗濯してくれねぇとパンツとかパリっと糊のきいた感じにならねぇんだよなぁ」
「分かるわぁ、シャマルはアイロン掛け上手やもんなぁ」
「戦力面の心配をしろぉぉぉ! 何、あんたたちの中じゃシャマルさん=お手伝いさんレベルでしかないの?」
「馬鹿野郎。シャマルはお手伝いレベルな訳ねぇだろう! あいつは僧侶クラスだよ。回復魔法使わせたら騎士随一なんだからなぁ!」
「唐突にドラクエネタに走んなぁぁぁ!」

 額に青筋を浮かべた新八の怒号が木霊する。

「何いきり立ってんでぃ新八。未だに勝ち星がないからっていらだつなんざぁガキの証拠だぜぃ」
「いい加減にして下さいよみなさん。今の現状分かってます? 今この屯所内にとんでもない奴が居るかも知れないんですよ! シャマルさんを倒して、更にザフィーラさんまでもが戦闘不能状態になっちゃってるんですよ」
「って言うか、ザフィーラを戦闘不能にしたのってお前らだろ?」
「あ、そうか……とにかく! このまま呑気にババ抜きしてる場合じゃないってば!」
「五月蠅ぇなぁ……分かったよ、ババ抜き止めれば良いんだろ?」

 新八の激に応じてくれたのか、皆がそそくさとトランプカードを片付け始めた。その光景を見て新八の胸中は感動の色一色に染まって居た。
 あぁ、やっと皆僕の言葉を聞いてくれたんだ
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